駅の券売機で何度もやり直す“80代男性”。善意で「代わりに切符を買ってあげた」結果、まさかの一言/駅の「みどりの窓口」はどれくらい減ったのか調べてみた

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2026年09月05日 09:01  日刊SPA!

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※画像は生成AIによるイメージです
JRのみどりの窓口が、この数年で急速に姿を消しました。JR東日本は2021年、約440駅にあった窓口を2025年までに140駅程度へ減らす方針を発表しましたが、行列や苦情が相次いだことを受けて2024年5月、削減の凍結を表明。当時209駅まで減っていた窓口を、当面維持するとしています。一方でJR西日本も、2020年度初に約340駅にあったみどりの窓口を、2022年度末までに約180駅とおおむね半減させる計画を2020年12月に公表しており、窓口のない駅は、もはや珍しくありません。
今回ご紹介するのは、過去に大きな反響を呼んだ人気記事から、券売機をめぐるある体験談。困っていた年配男性を手伝った30代男性が、その直後に受けた”まさかの仕打ち”に絶句したといいます。

記事の後半では、券売機の前で立ち往生している人を見かけたときに知っておくと役立つ、JRの実用サービスもあわせて紹介します。

◆善意で手伝ったのに相手はなぜか命令口調…

 自動券売機の操作が苦手な高齢者にとって、駅の切符購入は簡単なことではない。券売機の前で買い方がわからず、四苦八苦している姿を見かけることも珍しくない。

 ある日のこと。隣県に住む友人に会うため、その最寄り駅までの切符を買おうと券売機の列に並んでいた機械設備メーカー社員の香田佳宏さん(仮名・32歳)も、券売機の前で困っている80歳くらいの年配男性に遭遇。そこで「よかったら手伝いましょうか?」と声をかけたそうだ。

「その駅はみどりの窓口もなく、新幹線や特急券が買える券売機は1台しかなかったんです。その方は購入画面を途中までは進めるのですが、取り消しボタンを押して最初からやり直すのを何度も繰り返していました。そのため、この調子だといつ自分の番が来るかわからなかったので(苦笑)」

 申し出に対して年配男性は感謝の言葉を述べることもなく、「じゃあ、やってくれ」とぶっきらぼうな口調で言ってきたとのこと。その態度に少しカチンと来たが次の電車の時間が迫っていたため、相手にせず希望する行き先までの切符を買うことにしたそうだ。

「その方の目的地は都内。少し離れた場所にあるターミナル駅まで在来線で行き、そこから新幹線で東京まで向かう形になるため、『このルートでいいですか?』と一応確認を取りました。その前に指定席や窓側の席を希望なのも聞いていたからそれに従って画面を進めていたのですが、なぜか明らかにイライラした様子で『早くしろっ!』と急かすように言ってきたんです」

 しかし、香田さんが券売機を操作し始めてから時間は1〜2分しか経っていない。あとは現金かクレジットカードを投入するだけの状態になっていたため、ここで交代しようとしたが年配男性はこれを拒否。無言で彼に1万円札2枚を渡して券売機に入れるように迫ったのだ。

◆お礼どころか文句を言われる

 切符は無事に発券され、お釣りと合わせて本人に渡したが、年配男性はさも当たり前な様子で何も言わずに改札口に向かってしまう。ただし、「このときは自分の乗る電車のアナウンスが流れていて、切符を買うのに必死で気にならなかった」と香田さん。自身も切符を購入し、改札口近くのホームの乗車口にいる年配男性の後ろに並ぶと、「間に合ってよかったですね」と声をかけたそうだ。

 ところが、年配男性からは「あんたがさっさと切符を買ってくれたらもっと早く中に入れた」と予想外の一言。このあまりの失礼な態度に思わず、「手伝ってやった人間にお礼の言葉すらなく、それどころか文句を言うってあんた何様だよ。いい歳してそんなことも分からないのか?」と言い返してしまったそうだ。

「いい歳してカッとなってしまいました……。そこは至らなかったと反省しています。でも、別に感謝してほしくて手伝ったわけじゃないですが、ああいう物言いってさすがに人としてどうなのかなって。亡くなった私の祖父は、孫の私や両親にも小さなことでも何かしてもらったら必ず『ありがとう』って口にする人だったから同年代の方でもこんな態度を取る人がいることに逆にショックでした」

◆周囲から“ヤバい人”扱いされて赤面?

 香田さんからのまさかの反論に動揺した様子の年配男性だったが、2人のやりとりに対して「あのじーさん、ヤバくね?」とヒソヒソと話していたのが近くにいた20歳前後の若者2人組。「代わりに切符買ってもらったのにあんなに上から目線って」や「年を取ってもあんな風にはなりたくないな」など小馬鹿にした様子だったという。

「小声で話してるつもりかもしれませんが、全部聞こえてました(笑)。当然、じいさんの耳にも入っていたらしく、第三者からあんな風に言われて余程恥ずかしかったのか違う乗車口に並んでしまいました。券売機って年配の方にはちょっと難しいというのは私にも理解できるんです。でも、あんな態度は、仮に相手が駅員だったとしても絶対に取っていいものじゃないですよ。まあ、お兄ちゃん方が私の言いたいことを代弁してくれたので、おかげでスッキリしましたけどね」

 こういう人はごく一部だと思いたいが、年齢に関係なく人に何かをしてもらった場合、きちんとお礼を言える人間になりたいものだ。

<TEXT/トシタカマサ>

*  *  *

◆■券売機の前で困っている人を見かけたら

券売機の操作に慣れない人にとって、駅の切符購入は思った以上にハードルの高い作業です。JR東日本には、オペレーターと通話しながら購入や変更、払いもどしができる「話せる指定席券売機」が設置されている駅もあります。対応時間は8時から20時。受話器かマイクで呼び出せて、画面には待ち人数も表示される仕組みです。窓口のない駅で困ったときの、現実的な選択肢のひとつと言えるでしょう。

もし券売機の前で立ち往生している人を見かけたら、直接手伝うだけでなく、こうしたサービスの存在を伝えてあげるのも一つの手かもしれません。

年齢に関係なく、初めての機械やシステムを前にすれば、誰だって戸惑うものです。海外旅行先の券売機、はじめて使うセルフレジ、新しくなった役所の申請端末——思い返せば、自分もどこかで誰かに助けられた経験があるのではないでしょうか。香田さんが遭遇したのは、たまたま年配の男性でしたが、いつか自分が同じ立場になったとき、隣に立ってくれるのはやはり誰かの善意です。もちろん、返ってくる反応は必ずしも「ありがとう」とは限りません。それでも、券売機の前でのちょっとした声かけが、巡り巡って自分を助けてくれる日が来るのかもしれません。

<再構成/日刊SPA!編集部>

【トシタカマサ】
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。

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