「高すぎて買えない」36.5万円の新型iPhoneが期待外れなワケ。日本人の“iPhone離れ”が加速か

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2026年09月11日 09:01  日刊SPA!

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iPhone Duoのアスペクト比は10:14(14:10)となる。16:9の映像を観るのには不向きだが、電子書籍や新聞を読むのには便利なデザイン
 日本時間の9月10日午前2時、Appleの新製品発表がストリーミング配信された。
 毎年秋の発表会では、メインストリームiPhoneの最新モデルが発表されるのが恒例となっている。しかし今回発表されたiPhoneは、「iPhone 18 Pro」と、新機軸の「iPhone Duo」のみであり、予想されていたiPhone 18の登場は“おあずけ”となった。その他、AirPodsとApple Watchのモデルチェンジも紹介されたが、「iPhone Duo」の登場以外は、比較的小粒のアップデートに留まる。

 さて、Appleが満を持して投入した最新モデルiPhone Duoの紹介映像を眺めていると、頭の中に「?」がいくつも浮かんでは消える。我々日本のiPhoneユーザーと、ターナスCEO率いる新たなAppleとの間には、大きな感覚のズレがあるようにも思えるのだ。

 そこで今回は、この新製品に触れつつ、iPhoneにこだわってきたユーザーの“身の振り方”についても考えてみたい。

◆新製品「36.5万円」の衝撃!!

 手っ取り早く言って、iPhone Duoはいわば“貴族のスマホ”だ。

 その最大の理由はもちろん価格だ。256GBモデルで364800円、2TBのストレージを内蔵したモデルでは574800円という価格設定は、これまでiPhoneの価格帯を大きく上回っている。

 ちなみに、同日に発表されたiPhone 18 Proの価格は、256GBモデルで219800円、2TBモデルで429800円なので、iPhone DuoはProよりも14.5万円高いことになる。まるでProが相対的に安く見えるほどの価格差だ。

 べらぼうに高額なiPhone Duoは何が特別なのかというと、折りたたんで小さな画面で使ったり、開いて大きな画面(iPad mini相当)で使ったりできる、いわゆる「フォルダブル」機種である。

 つまり差額の14.5万円は、iPhoneをパカパカするために支払う代金ということだ。これはiPad miniを買ってお釣りが来るほどの額だが、iPhone Duoを買えば、両方持ち歩く必要はなくなるというメリットがあるにはある。

 2022年に急激な円安が到来して以来、5年にわたって日本では「iPhoneが高すぎる」と感じるユーザーが増えているが、この新製品に関しては、為替相場がどうこうという問題ではない。ほとんどの欧米人にとっても高すぎる価格設定だからだ。

 かくしてiPhone Duoは、情報生活を豊かにするガジェットというよりも、顕示的消費のためともいえる商品としてデビューすることとなった。iPhone 18の発売を遅らせるなど、マス層を後回しにする高級路線が、ターナスCEOの特色になってしまうのだろうか……。

◆フォルダブルはやっぱり不人気?

 iPhone Duoの持つフォルダブル構造自体は、真新しいものではない。サムスンの初代フォルダブル端末「Galaxy Fold」が発売されたのは2019年秋で、Appleはサムスンに7年遅れということになる。もちろんAppleならではの技術的改良点は複数あるのだが、フォルダブル市場では明確な後発組だ。

 サムスンを含めほとんどのメーカーが、構造が複雑なフォルダブル端末を“高級機”として発売しているが、統計によればスマホ市場の1%程度を占めるに過ぎない。町中で目にする機会が少ないのは、消費者が、それだけの高い値段でフォルダブルを買う必要を感じていないからだろう。

 逆に、日本で需要が高いのが、片手ですべての操作を行える小型のスマートフォンである。iPhone SE(第2・第3世代)などは、小さめのサイズと求めやすい価格が愛され、好調なセールスを記録した。海外では失敗作と見なされるiPhone 12 miniやiPhone 13 miniも、本邦に限っては愛用者が多い。

 さて、新製品のiPhone Duoを折りたたむと、メインストリームのiPhoneよりも一回り小さなサイズに早変わりする。しかし画面は正方形に近い比率であり、横幅は84.1mmもあるので、片手でホールドしたまますべての操作を行うのはとても不可能だ。

 これでは、満員電車で片手操作するような使い方には向いていない。何のための小型モードか理解に苦しむが、つまるところ、iPhone Duoを活用できるのは、価格やサイズを考えると、かなり限られた層向けの商品であることは間違いない。まさに“貴族のスマホ”だ。

◆iPhoneが選択肢から消える日

 仮にiPhone Duoを一部の高所得層向けモデルと割り切るとしても、iPhoneユーザーの受難は続いている。

 iPhone SEの後継として注目されていたiPhone 16e(25年2月発売)が期待外れの価格だったほか、iPhone 17などの現行機種は本日、世界同時に値上げが発表された。これでは、スマホの新調をいつまで後回しにすればいいのかわからない。

 iPhoneが高すぎるため、安価なAndroidスマートフォンに乗り換えるユーザーが出始めている。エントリーモデルなら3万円前後、ミッドレンジ(中級)でも5万円台で立派な最新機種が手に入るのは、Androidならではの強みだ。アップデートサイクルの違いから、iPhoneと比べると製品寿命が短い傾向にあるが、それでも総合的なコスト・パフォーマンスは悪くない。

 また、2025年2月にiPhone SE(第3世代)が販売を終了して以来、Appleは“片手持ち”で使えるサイズのiPhoneを製造していない。したがって、小型スマホを求めるなら、Androidも有力な選択肢になる。

 Androidでも“片手持ち”ができる機種はごく少数だが、中国の「Unihertz(ユニハーツ)」社が展開する「Jelly」シリーズなど、小型モデルもいくつか発売されている。

 たとえば同社のJelly Maxは、薄さを追求する最近のiPhoneとは対照的に、「筐体は分厚いが、画面は小さい」という構造で、意外なほどフィット感が良い。発売は2024年とやや古いが、一般的なゲームであれば、しっかり遊べる性能を持っている。

◆“iPhone一強”に終わりの兆し

 長らく、日本人が使うスマホの3台に2台はiPhoneだった。iPhoneの全世界でのシェアは約20%、アメリカでも約50%なので、日本人のiPhone志向は際立つ数字となっていた。

 ところが最近では、iPhoneのシェアが減って5割台になり、iPhoneよりもAndroidスマートフォンのほうが多く売れる月があったりと、潮目が変わり始めている(OS単位での比較であり、メーカーごとの比較では依然Appleの一強状態だが)。

 ところで、一定以上の世代の日本人には“Androidアレルギー”のようなものがある。ドコモからiPhone 5sが発売された2013年9月よりも前、日本国内のメーカーは競ってAndroidスマホを量産していたが、動作の重さや不安定さなど、完成度に難のある機種も少なくなかった。この時期に抱いたAndroidへの悪印象は、現代に至るiPhone志向と無縁ではないはずだ。

 それでも今の価格設定では、いつまでiPhoneを使い続けられるかわからない。古いiPhoneを使い続ける選択肢もあるが、高価格化したiPhoneに迷っている人は、最新のAndroidスマホを一度店頭で触ってみてもいいかもしれない。

<TEXT/ジャンヤー宇都>

【ジャンヤー宇都】
「平成時代の子ども文化」全般を愛するフリーライター。単著に『多摩あるある』と『オタサーの姫 〜オタク過密時代の植生学〜』(ともにTOブックス)ほか雑誌・MOOKなどに執筆

このニュースに関するつぶやき

  • 数年で使い捨てみたいなもんにそんな金額は払えない iPhoneは言うほど高性能ではない (´・Д・)」 みんな大好きAIが実は結構嘘つきなのと同じで信用するのがキツイ
    • イイネ!1
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