歯間ケアの正解をプロが伝授 毎日歯磨きをしていても、歯ブラシだけでは歯間の汚れは約6割しか落ちず(※1)、口内トラブルや口臭の原因になるという。残りの汚れを取り除くには歯間清掃が不可欠だが、「血が出る」「引っかかる」と挫折してしまう人も少なくない。そこで今回は、来年発売40周年を迎える小林製薬『糸ようじ』の担当者に取材。「プロ直伝の正しい使い方」と、見逃せない「お口のトラブルサイン」を紹介する。
【画像】こんなに種類あるの? キッズ用もある「糸ようじ」■「痛そう」「自分にはまだ早い」はホント? 20〜30代にはハードルが高い歯間ケア
近年、歯間ケアの習慣は人々の生活に定着しつつあるが、世代間で意識に大きな差があるという。年齢別に見てみると、40〜70代女性は7割近くが歯間ケアを行っている(※2)反面、20〜30代の若い層は「痛そう」「面倒そう」「自分にはまだ早い」と心理的ハードルを感じる人が多いそうだ。とはいえ、『糸ようじ』ブランドマネージャー・来福七央人さんは、「歯周病予防などを考えると、若いうちに歯間ケアを習慣化することが非常に重要」と語る。
将来のため、毎日続けて歯間ケアを行うなら、少しでも使いやすくストレスのないアイテムを選びたいところ。1987年に発売された『糸ようじ』は、“スルッと入るタイプ”やコンパクトヘッドタイプなど、バリエーションも豊富。清掃しやすいように設計された形状など、歯間ケア初心者にも使いやすい工夫がこらされている。
ここでは、そんな『糸ようじ』を例に、「プロ直伝の正しい使い方」を教えてもらった。
■プロが伝授するケア方法、「歯間に入れるだけではもったいない」
歯間ケアを行う人が増えたとはいえ、まだまだ「やり方がよくわからない」「なんとなく使っている」という人も多いだろう。来福さんによれば、「ただ歯間に入れるだけの使い方はもったいない」とのこと。
「歯間にスッと入れて、そのまま上に抜くという方が多いと思います。でも歯は曲面になっているので、まず歯間に入れたら、歯面に糸をギュッと寄せて沿わせる。その状態で軽く前後に動かしながら上げていくことがポイントです」
入れて出すだけでもある程度は歯垢や汚れが取れるものの、それでは糸が当たる面積が少なくなってしまう。糸を歯に沿わせることで接地面が広くなり、しっかりと広い面の汚れを清掃できるのだ。『糸ようじ』は糸の部分が長くなるように設計されているため、沿わせやすく前後に動かしやすいのが特徴となっている。
歯間清掃の際、「糸が引っかかる」こともある。それが苦手意識につながる場合もあるが、これにはいくつかの原因が考えられるそうだ。
「毎回糸が引っかかる方はシンプルに歯間が狭いと思うので、初心者にもおすすめの”スルっと入るタイプ”を使っていただくのがオススメです。私も歯間が狭くて最初は引っかかっていましたが、スルッと入るタイプであれば『人生変わった!』というくらいラクになりました」
一方、以前はスムーズだったのに「最近急に引っかかるようになった」という人は注意が必要だ。
「歯垢は本来柔らかいのですが、放っておくと歯石になり、それが引っかかる場合があります。また、虫歯の治療で詰め物をしている場合、詰め物の下が虫歯になっていることもあります。急に引っかかるようになった方は、その点も注意したほうがよいかもしれません」
■気になる「出血」問題、毎日続けることで「健康な状態に近づく」
歯間清掃を始めたばかりの人が直面しやすいのが、「出血」の悩みだ。
「歯間清掃をしたことがない方は、歯茎が弱くなっていたり炎症が起こっていたりする場合があるので、最初は血が出やすいかもしれません。毎日続けることで歯間の汚れがしっかり取れ、歯茎が健康な状態に近づいていくと血も出にくくなります」
まずは優しくケアを続けることが大切だが、出血が怖いという人には、なめらかな糸で歯茎へのあたりが優しい”スルっと入るタイプ”がオススメだという。
「ただし、毎日続けても出血が治まらない場合は、歯茎が弱っているなどお口のトラブルの可能性があります。その際は、早めに歯科医院を受診していただくと良いのではないかと思います」
※1 出典:山本昇ほか 日本歯周病学会誌1975
※2 出典:令和6年歯科疾患実態調査
(文:水野幸則)