
10月2日(金)発売のJC『キン肉マン』第94巻
『週刊プレイボーイ』および『週プレNEWS』連載中(毎週月曜発売および更新)の漫画『キン肉マン』(ゆでたまご作)のジャンプコミックス(以下、JC)各巻の中から、ゆでたまご先生ご自身にお気に入りの原画を選んでご紹介いただくシリーズ企画"ゆで原画"第 42回。
新たなる敵勢力・時間超人の幹部集団"五大刻(ごたいこく)"と、正義超人や完璧超人といった既存勢力の超人たちによる世界を股にかけた対抗戦! 勝ち越しを決めた勢いのまま、キン肉マンたちは残る五大刻の掃討戦にかかる。そのうちのひとり"黄昏の刻"ペシミマンには、倒されたウォーズマンの師、ロビンマスクが挑もうとするが......!? 激戦の予感ただよう『キン肉マン』最新JC94巻が、まもなく10月2日(金)発売に!
それを読む前におさらいを兼ねて......発売中の前巻JC93巻から作者・ゆでたまごの両先生に、思い入れの深い漫画原稿1枚をそれぞれ理由も添えて選んでもらった。
まずは作画担当・中井義則先生に選んでいただいたのがこの1枚(JC93巻/28ページより)。
|
|
|
|
倒れたエンデマンの命を引き継いで現れた新たなる1億パワーの時間超人"炎天の刻"サラマンダーに連戦で挑もうとしたテリーマンだったが、やはり体力の限界でマトモに立つことすら苦しい状態......。そんな中、はるか上空からテリーマンを止める声が響き渡る。その主は、これまで解説役に徹していたスカイマン!? なんと彼はテリーマンに代わって自身が闘うつもりで、リングに舞い降りようと呼びかけたのであった!
――中井義則先生(ゆでたまご・作画担当)コメント
「かつての作品初期に活躍していた超人たちを今のタッチでブラッシュアップして再び活躍させたいということで、これまでカレクックやベンキマン、カナディアンマンあたりの新たな闘いは描いてきましたけど、このスカイマンは僕自身もかなり興味がありながら、あえてまだ手をつけてなかったんです。
その最大の理由は、メキシコのルチャドールをモチーフにした超人なので、それだと既に力を入れて描いているキン肉マン マリポーサと闘い方が被ってくる。二番煎じみたいな中途半端なことになってしまうんじゃないかという懸念がありました。
ただスカイマンの魅力は、シンプルなデザインの中に込められるカッコよさ。ゴテゴテした装飾で魅せるのではない往年のヒーローのような佇まいがあって、特に感じるのは彼の目。マスクがシンプルなだけにますます目が強調されて、そこで芝居ができるんです。
|
|
|
|
そもそも、昔からスカイマンの瞳を他のキャラより大きめに描き込んでたのは、それがやりたかったからだというのもあって、新たに描いてみてもまさに「目は口ほどにものを言う」を体現できる。セリフではなく、絵で超人の内面を描いていく作画側の僕からすると、こんな描き甲斐のあるキャラはなかなかいない、面白いということになるんです。
相棒とも話して軽く出してみたんですが、今回こうして描いてみると、マリポーサと違う形で描ける見せ方がいくつも湧き出てきて......これなら本格的な闘いをやっても大丈夫だぞ、という新たな自信まで深めることができました。これは新発見でした。
今後、本格的な闘いの出番があるかどうかはわかりませんが、僕としては引き続き描いていきたい"最新の"お気に入り超人のひとりです!」
そして原作シナリオ担当・嶋田隆司先生に選んでいただいたページはこの1枚(JC93巻/104ページより)。
ウォーズマンとの激闘を終え、リング上で勝利の一服をきめる時間超人ペシミマン。倒れたままのウォーズマンを眺めたまま、やがてトドメをさすこともなくそこから立ち去ろうとしたところで、背後に何者かの気配を察して振り返る。そこに音もなく静かに立っていたのは、あえてそのウォーズマンと距離を置いていた師匠ロビンマスク。彼もまた、先ほどまでの己と同じように、無言でウォーズマンを眺め立ち尽くしていたのであった。
|
|
|
|
――嶋田隆司先生(ゆでたまご・原作シナリオ担当)コメント
「まずは、久々のロビンマスク登場シーンですし、なんといっても僕のなかではようやくここまでたどり着けた!......という思いが大きかったので、今回はこのページを選びました。
何せ、その前の闘いでウォーズマンが負けてからというもの、SNSなどを見渡してもファンの人たちから僕らがめちゃくちゃ叩かれてるのは知ってましたし、そういう人たちの思いも理解できるのでなんとも言えない気持ちになってたんですけど、あのウォーズマンの敗戦は僕らゆでたまごにしては珍しく、のちのちまで見越して用意した展開だったんです。
これは、ウォーズマンとペシミマンだけでなく、ロビンマスクまで含めた3人の話にしたい、というのが最初からあって、でもそのためにはペシミマンにもう一戦してもらう必要があった。それでウォーズマンは惜敗という形にならざるを得なかったんです。
だからそれ以降、しばらくはファンの人たちに対しても『ごめんやけど、もうちょっと待っててな! まだ言われへんねんけど、あとで必ずこの負けには意味あったってことにするから!』というのが、僕の中の偽らざる気持ちだったんですけど、このページでロビンマスクが出てきてくれたことによって『ようし、やっと挽回できるぞ!』って次のステージにようやく進むことができた!
あとは僕らが用意していた展開をちゃんと描き切れるかどうかだけなので、ここからまた気持ち新たに頑張るぞと。
そんな僕の心のうちを中井君もくみ取って、話のラストでもないここをこの大きな一枚絵で描いてくれたのかなという気もして、それもまた嬉しかったですね」
ロビンマスクとペシミマン。初対面であるにもかかわらず、ウォーズマンに対して共に大きな想いを抱く者同士による因縁の決戦は、思わぬ方向に展開を見せていく......!?
取材・文/山下貴弘 ©ゆでたまご/集英社

