【箱根駅伝予選会】21年ぶり参加の東洋大は盤石か 明治大、法政大らが挑む激戦の「10位」争い

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2026年10月15日 10:01  webスポルティーバ

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箱根駅伝予選会の注目校 後編

 10月17日開催の第103回箱根駅伝予選会の注目校を紹介する。この後編では、21年ぶりに予選会へ回った東洋大の戦力を分析するとともに、明治大、法政大、専修大、日体大、東京国際大、立教大などがひしめく7〜10位争いを展望。各校のエースや中間層、集団走の戦略から、激戦のボーダーを突破する条件を読み解く。

前編を読む>>>【箱根駅伝予選会】トップ通過を狙う有力校 大東文化大、東海大、山梨学院大らの戦力と勝負のカギ

【東洋大は選手層の厚さで突破を狙う】

 21年ぶりに箱根駅伝予選会へ臨む東洋大だが、選手層を見れば、10位以内での通過はそれほど難しいミッションではない。

 前回の箱根駅伝は14位に終わったが、エースの松井海斗(3年)をはじめ、経験者が7名残っている。今季の全日本大学駅伝予選会(以下、全日本予選会)は、2組1位の松井、同組8位の内堀勇(3年)、4組15位ながら28分53秒82の自己ベストを出した宮崎優(3年)、18位の迎暖人(3年)ら3年生の活躍により5位で通過した。宮崎は士別ハーフで1時間02分22秒の自己ベストで優勝し、松井とともに主力に成長した。

 ハーフの持ちタイムは、1時間01〜02分台の選手が7名、1時間03分台が3名。上位10人の10000m平均タイムは29分05秒94で6位だ。記録会などで選手を見る機会が少なく、どこまで調整できているかはわからないが、タイムが示す選手の質は非常に高い。東洋大は21年ぶり、酒井俊幸監督にとっては初めての予選会となるが、経験の少なさをことさら不安視する必要はないだろう。選手それぞれが予選会を特別に意識しすぎず、ハーフを淡々と走れば、結果はおのずとついてくる。

 前編で紹介した5校に、この東洋大を加えた6校が予選通過の有力候補となる。一方、7位から10位を争う各校の実力は拮抗しており、激戦が予想される。そのなかで一歩抜け出しそうなのが明治大だ。

 前回の予選会は12位に終わり、2年連続で本戦出場を逃した。大志田秀次監督を迎えた昨季は、緩んでいたチームの規律を立て直し、選手の意識を競技に向けることに時間を費やした。就任2年目の今季は生活環境が整い、選手の意識も箱根を見据えたものへと変化した。チームは走り込みを重視した練習へとシフトしている。

 全日本予選会は10位で通過を逃したが、収穫もあった。1組7位と好走したルーキーの大江秀弥と、4組16位の阿部宥人(2年)だ。阿部がこのときマークした29分03秒13は自己ベストで、今回の予選会メンバーの中では、10000mで持ちタイムが3番目にあたる。ハーフでも1時間02分14秒と、主将でエースの大湊柊翔(4年)に次ぐタイムを持ち、今やエース格に成長した。ただし、他大学のエースと比べると、ひとりで大きくタイムを稼ぐタイプではない。集団走で組織的にタイムをまとめる戦略が求められる。

 気になるのが、主力のひとりである綾一輝(4年)の状態だ。1年時に箱根で快走して以来、故障に悩まされ、2年、3年時は予選会にも出場できず、4年の今季も全日本予選会に出走していない。綾が戻れば、チームに核がもうひとつできることになり、有利に戦える。上位10人の10000m平均タイムは29分19秒48で、全体12位。トラックの持ちタイムでは上位校に及ばないが、走り込みを重ねた成果をロードで発揮できれば、目標とする5位通過も視野に入る。大志田監督は「昨年以上の手応えがあり、少しでも上を目指したい」と意欲的だ。

【激戦の7〜10位争い。法政大は悔しさを晴らすか】

 法政大は、前回の予選会で10位の立教大に17秒及ばず、本戦出場を逃した。大島史也(Honda)が総合32位、野田晶斗(4年)が同29位とエースの役割を果たし、ほかの選手も坪田智夫監督が描いたレースプランに沿って走れていた。それでも、まさかの落選。レース後、坪田監督が「整理がつきません」と沈痛な面持ちで語った姿が印象的だった。

 今季の全日本予選会は9位で通過を逃したが、重山弘徳(4年)が1組10位、星野泰地(4年)が3組4位、野田が4組13位と好走した。トラックシーズンでもまずまずの結果を残し、箱根予選会のエントリー上位10人の平均タイムは28分54秒84でトップ。着実に地力をつけている。「どれだけ箱根に出たいか。その意識の差がレースに出る」と坪田監督は言う。昨年と同じ轍を踏むまいと、チームを引き締めて臨むだろう。エースの野田が上位集団で快走し、星野、加庭翔太(3年)がタイムを稼げれば、2年ぶりの箱根路が見えてくる。

 専修大は、前回の箱根予選会で13位だった。フリー走の選手たちがいずれも後半に順位を下げ、集団走ももうひとつ伸びが足りなかった。今季の全日本予選会は8位。7位の山梨学院大とは0.65秒差で、わずかに及ばず、悔しさを噛みしめた。このとき、丹柊太郎(4年)は1組4位、平松龍青(4年)は2組4位、上山詩樹(4年)は4組23位で、主力は上々の走りを見せていた。

 今回の予選会ではおそらくこの3人とサミュエル・ガユ(1年)が軸になり、フリー走でタイムを稼ぐことになる。ここに過去2回の予選会で安定した走りを見せている佐藤陸(4年)、さらに水津智哉(3年)、安斎陸久(2年)、西広翔(2年)の全日本予選組が集団となってチームを引っ張ることになりそうだ。上位10人の10000m平均タイムは29分16秒18で全体9位。トラックでは印象が薄い専修大だが、ロードでは強さを発揮する。トラックの全日本予選会ではあと一歩というところまで迫っており、得意のロードで予選を通過し、2年ぶりの箱根復帰を目指すことになる。

【連続出場を懸ける日体大、エース擁する東京国際大】

 日体大は、前回の箱根予選会を9位で通過した。本戦は15位に終わり、主力だった平島龍斗(安川電機)、田島駿介(愛知製鋼)、山崎丞(花王)、浦上和樹(YKK)が卒業した。今季は大幅な戦力ダウンを余儀なくされている。全日本予選会は11位で、通過には遠く及ばず、力負けした。チームに絶対的なエースはおらず、10000mの28分台は佐藤大和(3年)と夏見虹郎(2年)の2名のみ。上位10人の10000m平均タイムは29分12秒65で8位だ。戦略としては佐藤と夏見がフリーで走り、他の選手は昨年同様、集団走でロスを最小限に抑えることになるだろう。これまで78回連続で箱根駅伝に出場しているが、その記録を79回に伸ばせるか。今季の箱根予選会は、日体大にとって大一番になりそうだ。

 東京国際大は、前回の箱根駅伝で16位と低迷し、シード権を失った。今季の全日本予選会は12位に終わり、好走したのは4組1位のリチャード・エティーリ(4年)と同組12位の小柴裕士郎(3年)のみだった。ただ、このふたりが非常に強い。エースのエティーリは今回の予選会でもトップを争うだろう。エティーリが先頭争いで大きくタイムを稼ぎ、小柴と主将の久保遼人(4年)が上位に続き、政仁斗(3年)、佐藤柊輔(2年)ら中間層がどこまで粘れるか。「厳しい戦いになりますが、生き残っていきたい」と中村勇太監督代行は語る。上位10人の10000m平均タイムは29分17秒26で全体11位。10人が大きく崩れずに走りきれば、箱根路が見えてくるだろう。

 東京農業大は、前回の予選会を6位で通過したが、本戦では18位に終わった。箱根経験者が5名残り、エース前田和摩(4年)も健在だが、今季の全日本予選会で目立ったのは4組7位の前田だけだった。チームは18位に低迷し、トラックシーズンでも、チーム全体として目立った結果は残せなかった。「最後は箱根駅伝に出て、後輩たちに箱根の経験を残していきたい」と前田は語る。上位10人の10000m平均タイムは29分28秒29で全体15位。ただし、ハーフのタイム自体は悪くない。10人目の選手が1時間04分台でゴールできれば、突破の可能性は一段と高まる。

 立教大もボーダーライン上にいる。前回の予選会では、途中経過の時点で�睥嗟寛雋篤弔蓮屬�なり難しいと思った」という。それでも10位で通過し、選手たちはうれし涙を流した。しかし本戦は20位に終わり、力を発揮できなかった。今季の全日本予選会も15位。箱根予選会を前に、厳しい状況に置かれている。

 今季のチームには、昨年の大エース馬場賢人(ヤクルト)やエース格の國安広人のような選手がいない。主将の原田颯大(4年)はハーフ1時間01分39秒、木島陸(4年)、西澤匡哉(2年)は1時間02分台のタイムを持つが、他大学のエースとは少し差がある。一方で、突出したエースはいないものの、中間層を含めた総合力には手応えがある。上位10人の10000m平均タイムは29分16秒58で全体10位と、ぎりぎりのラインにいる。

 前回の予選会は馬場抜きで10位になったが、�睥售篤弔蓮嶌G�は、昨年よりも全体のチーム力は上になっている」と自信を持つ。集団走はせず、フリーで走らせ、それぞれの持ち味を発揮する戦略で臨む予定だ。果たして5年連続での箱根駅伝出場を実現できるか。

 さらに、日本薬科大、拓殖大、国士館大、芝浦工大、駿河台大あたりも争いに絡んできそうだ。ボーダーライン上の大学にとっては、15�勸聞澆両”蕕鬚匹Ε泪優献瓮鵐箸垢襪�がカギになる。数秒単位で順位が入れ替わる厳しいレースになるだろう。

佐藤俊●取材・文 text by Shun Sato

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