<テニス:木下グループ・ジャパン・オープン>◇第5日◇29日◇東京・有明テニスの森公園◇車いすテニス男子シングルス
今夏のパリ・パラリンピックで金メダルを獲得した世界ランキング1位の小田凱人(東海理化)が、ジャパン・オープン2連覇を果たした。
決勝で同4位のグスタボ・フェルナンデス(アルゼンチン)と対戦。6−3、6−4のストレートで退け、昨年大会に続く2度目の優勝で凱旋(がいせん)大会を飾った。
第1セット(S)は序盤に相手に何度もブレークポイントを許しながらも、高い集中力で先制を許さなかった。一進一退の攻防で迎えた第8ゲーム(G)、強烈なリターンエースなどでラブゲームでのブレークに成功。そのままこのセットを奪取した。第2Sは第6Gに初めてブレークを許したものの、第7Gにすかさずブレークバック。勝負どころを冷静に見極め、勝利をたぐり寄せた。
過去の対戦は10度。互いに手の内を知り合う相手との一戦は「おもしろくなる」という確信があった。コロシアムに集まったファンの前で手に汗握る戦いを演じ、「本当に見たかった景色が見れた。この日本で車いすテニスでもこれだけのお客さんが入ることを証明できた」。今大会で一番の笑みを弾けさせた。
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シングルス史上最年少でパラリンピックの頂点に立った18歳だが、勝利への欲は尽きない。「パラリンピックが終わっても、何も変わっていない。心境の変化はないんですけど、負けられなくなった。その分勝たないといけないし、年齢を重ねるごとに負けたときの代償は大きくなる」と、さらなる成長を求めていた。
パラリンピックの栄冠から間もない中で今大会出場を決めたのは、競技発展への思いから。「この大会には出続けたい。もっと会場が揺れるぐらい、大きな試合をしたい。そのためには車いすテニス界がもっと上がってこないとできないので、みんなで盛り上げて、メジャーな競技にしていきたい」。タイトルの数を増やしても、根底にあるものは変わらない。世界1位の挑戦は続く。【勝部晃多】
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