“最も大きい素数”更新 「2^136億27万9841-1」元NVIDIA社員が発見 文字に起こすと4000万字超え

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2024年10月22日 19:21  ITmedia NEWS

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最も大きい素数を更新 値は「2^136億27万9841-1」

 素数を探求するプロジェクト「GIMPS」は10月21日(現地時間)、今まで人類が見つけた数値の中で最も大きい素数「2^136億27万9841-1」(136億27万9841個の2を掛け合わせ、1を引いた値)を見つけたと発表した。これまで記録していた最大の素数よりも、1600万桁以上大きい値。十進数で表現した場合、桁数は4102万4320桁に及ぶという。


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 素数は、2以上の自然数の中で、1とその数自身以外に約数が無いもの(割り切れる数がないもの)を指す。中でも「2^n−1」(nは自然数)で表現できる素数のことを「メルセンヌ素数」と呼ぶ。これまでメルセンヌ素数は、51個存在していると知られており、その最大値は「2^8258万9933-1」だった。


 GIMPSは、このメルセンヌ素数を見つけるため1996年に発足したプロジェクトで、これまで18個のメルセンヌ素数を見つけてきた。


 今回、52番目のメルセンヌ素数を見つけたのは、米カリフォルニア州サンノゼ在住の研究者であるルーク・デュラントさん。デュラントさんは米NVIDIAの元社員で、23年10月ごろからGIMPSに参加。研究のため、多数のGPUサーバ上でGIMPSの解析ソフトウェア一式を実行、維持するためのインフラストラクチャを開発したという。


 これにより1年間の検証を続ける中で、デュラントさんは新たな素数を発見。発見当時、デュラントさんが築いた「クラウドスーパーコンピュータ」ともいえる解析環境は、17カ国にまたがる24のデータセンター地域による数千台のGPUサーバで構成されていたという。第三者も検証を行ったところ、24年10月12日に新たな素数であることを正式に確認できたとしている。


 新たな素数を発見した功績として、デュラントさんには3000ドルの賞金が贈られるが、デュラントさんはこれを米アラバマ数学科学スクールに全額寄付する予定。


 なおGIMPSでは、今回見つかった素数を全桁書き起こししたテキストデータを無料配布中。テキストデータにもかかわらず、容量は18.3MBを記録。全文字をWordにペーストすると、改行も含むが全2万2792ページに及んだ。



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