長野県佐久市で2015年、横断歩道を渡っていた中学3年の男子生徒=当時(15)=を車ではねて死亡させる事故を起こした際、直ちに救護しなかった道交法違反(ひき逃げなど)の罪に問われた男性被告(51)について、最高裁第2小法廷(岡村和美裁判長)は29日付で、弁論期日を12月13日に指定した。
弁論は二審の判断を見直す場合などに必要な手続き。懲役6月の実刑とした一審長野地裁判決を破棄し、無罪を言い渡した二審東京高裁判決が見直される可能性がある。
二審判決によると、被告は事故当時、飲酒運転をしていた。衝突地点から約100メートル先で乗用車を止めて生徒を捜したが、発見できなかった。
その後、酒のにおいを消すため、コンビニで口臭防止用品を購入して服用。再び事故現場付近に向かい、倒れていた生徒を発見したことから人工呼吸をするなどした。
長野地裁は22年11月、被告がコンビニへ行ったのは救護義務違反に当たるなどとして有罪を認定。一方、東京高裁は昨年9月、被告が救護の意思を失ったとは認められないと判断し、逆転無罪としていた。