【オスロ時事】日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)へのノーベル平和賞授賞式が終わった10日夜(日本時間11日未明)、ノルウェーの首都オスロでは市民らがたいまつを手に「ノーモア・ヒバクシャ」と声を上げ、日本被団協の功績をたたえた。受賞を祝う晩さん会も開かれた。
午後1時からの授賞式後、日本被団協の被爆者らは宿泊先のグランドホテルに移動。代表委員の田中重光さん(84)は「責任が重くなったと感じる。若い人たちに運動をバトンタッチするため、機会を多く持ちたい」と気持ちを新たにした。
日が暮れると、市民らはたいまつや、ノルウェー語で「核兵器、反対」と書かれた横断幕を手にオスロの街を行進。日本被団協の代表団も、共に活動し亡くなった被爆者らの写真パネルを携え参加した。
午後7時、代表委員3人がホテルのバルコニーに。市民らは「ノーモア・ヒバクシャ、ノーモア・ウォー」と繰り返し、歓声と拍手が湧き起こった。3人は笑顔で手を振って応えた。
夫婦で訪れたレオナ・チェインさん(76)は、日本被団協の受賞を「一生懸命に長い間闘ってきた。素晴らしい」と称賛。テレビで式典を見たといい、代表委員の田中熙巳さん(92)の講演を「高齢にもかかわらずオスロを訪れ、大切な訴えをしてくれた。非常に感動的だった」と振り返った。
ホテルでは、日本被団協の受賞を祝福する晩さん会が催され、王室など要人も出席した。
ノーベル平和賞授賞式を終え、授与されたメダルと賞状を掲げて記念撮影する日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の代表委員ら=10日、オスロ
滞在するホテルの前に集まった人たちに手を振る日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)代表委員の(左から)箕牧智之さん、田中熙巳さん、田中重光さん=10日、オスロ
滞在するホテルの前に集まった人たちに手を振る日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)代表委員の(左から)箕牧智之さん、田中熙巳さん、田中重光さん=10日、オスロ(AFP時事)