【高校ラグビー】「スクール☆ウォーズ」令和に復活!京都工学院112−0大勝で花園再デビュー

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2024年12月27日 19:43  日刊スポーツ

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京都工学院対聖光学院 前半、トライ後のゴールを決める京都工学院・杉山(撮影・藤尾明華)

<全国高校ラグビー大会:京都工学院112−0聖光学院>◇1回戦◇27日◇大阪・花園ラグビー場



4度全国制覇した名門・伏見工の流れをくむ京都工学院が「花園再デビュー」をド派手に飾った。9年ぶり21度目、現校名で初出場して聖光学院(福島)に112−0で大勝。前後半に9トライずつの猛攻を浴びせた。OBの故平尾誠二さんをほうふつとさせるU17日本代表SO杉山祐太朗(2年)も前半だけで15得点。伏見工をモデルとして80年代に一世を風靡(ふうび)したドラマ「スクール☆ウォーズ」が、令和の花園でよみがえる。


   ◇   ◇   ◇


令和の花園に、伝統の赤黒ジャージーを復活した。京都工学院は、開始から聖光学院を圧倒した。展開で、モールで、スクラムで守備を崩し次々にトライを決めた。大島監督は「彼らは花園デビュー戦で、いろんな緊張感があったと思うが、最後まできっちりしたプレーをやり続けられた」。


112−0。くしくも伏見工伝説の始まりを連想させるスコアとなった。約半世紀前に「泣き虫先生」こと山口監督の就任初戦となった75年5月、花園戦は0−112。その惨敗スコアを逆にした大勝だ。伏見工時代を含めて、同校の花園最多78得点(96年度、15年度)を大きく上回った。


「平尾2世」と呼ばれるSO杉山も期待通りのプレーで勝利に貢献した。前半17分には華麗なステップからトライも決めた。元日本代表の「ミスターラグビー」故平尾誠二さんのプレーは動画サイトでチェック。「味方の生かし方、パスの間合いはすごくセンスを感じるもの」と驚く。「まだまだ全然レベルは違うけど、スペースを見てギャップを突くランニングは少し似ているかな」と参考にしてきた。「2世」の呼び名に「光栄なことで自信にはなるけど、言われてるだけじゃダメ。プレーで示していかないといけない」。今大会で、チームと自分の名をとどろかせる覚悟だ。


ユニフォームには山口総監督の名言「信は力なり」。同総監督から「赤黒のジャージーを多くのファンが待ってくれている。その期待に応えられるように、いいラグビーをして欲しい」とエールを送られた。伏見工時代から9大会ぶりの聖地で、復活を印象づけた。


30日の2回戦はBシードの中部大春日丘(愛知)。5月に試合で負けているが、手応えもある。大島監督は「我々ができる準備を100%やって、思い切りチャレンジしたい」。伏見工が3度目の優勝を飾った00年度に主将だった指揮官に率いられたチームは1勝では満足しない。【永田淳】


◆京都工学院 伏見工ラグビー部は、1959年(昭34)に創部され、74年に山口良治監督(現総監督)が赴任。花園は80年度、92年度、00年度、05年度と4度制覇。主なOBは元日本代表SO平尾誠二、ロック大八木淳史ら。16年に伏見工と洛陽工が統合して、京都工学院に校名変更。19年に大島淳史監督が就任。


◆伏見工伝説 1920年(大9)創設の同校で、校風が乱れていた74年(昭49)に山口良治が着任して翌75年にラグビー部監督に就任。初の公式戦は75年5月17日、強豪の花園戦で0−112と大敗した。目標もなく、悔しいそぶりすら見せない部員を山口が「痛みは3日で消える。だが、この悔しさは一生忘れるな」と1人ずつ殴った。「スクール☆ウォーズ」(ドラマでは0−109)では、涙ながらに「おれはこれからお前たちをなぐる」と描かれた名場面。屈辱をバネに練習を重ねたチームは翌76年6月5日の京都府大会で決勝まで進み、18−12で花園高に勝った。屈辱からわずか1年で112点差を逆転した。その後は全国を4度制する強豪となった。

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  • 見出しで伏見工業ってすぐにわかったリアルスクールウォーズ世代ですw
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