昨年10月に破産開始決定を受けた家電メーカー「船井電機」(大阪府)を巡り、脱毛サロン売却のアドバイザリー報酬として約2億円をだまし取った疑いがあるとして、船井電機前社長の上田智一氏は9日、詐欺容疑で当時役員だった男性に対する告発状を大阪府警に提出したと明らかにした。
告発状によると、船井電機の親会社「船井電機・ホールディングス(現FUNAI GROUP)」が、大手脱毛サロン運営会社「ミュゼプラチナム」買収に際して負っていた100億円以上の債務について、当時取締役だった男性がミュゼ売却によって免れることができると上田氏に伝え、売却先の広告代理店を紹介。男性は昨年4月、アドバイザリー報酬として船井HDから約2億円の支払いを受けたとされる。譲渡契約では、広告代理店が債務を連帯保証する内容になっていたが、現在までに義務が履行されていないという。
また、上田氏側は詐欺行為によって船井電機の経営権を1円で譲渡する契約が結ばれたとして、譲渡した株式の保全を東京地裁に申し立て、先月27日付で申し立てを認める仮処分決定が出た。これを受け、上田氏は告発した男性や「FUNAI GROUP」(東京都)の代表ら計5人に対する詐欺容疑での告訴状も府警に提出した。