のとじま水族館、イルカとアシカのショー復活へ 「復興の一歩に」

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2025年01月11日 18:33  毎日新聞

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ショーに向け軽いトレーニングを始めているカマイルカ=石川県七尾市で2025年1月9日午後2時35分、国本ようこ撮影

 能登半島地震で被災した石川県七尾市の「のとじま水族館」で今春、休止していたイルカとアシカのショーが復活する。被災したアシカ舎も2月中に建て直し、地震から1年あまりを経て、展示を完全再開させる。職員は「水族館が元に戻ることが、復興の一歩につながればうれしい」と力を込める。


 同館は昨年1月、地震による激しい揺れの影響で、水槽のろ過装置や配管設備が損傷。館のシンボルだった2頭のジンベエザメを含む計約4000個体が死に、ペンギンやイルカ、アシカを全国の施設に避難させた。半年の休館期間に設備の復旧を進め、24年7月に展示の一部を再開。今年の年始は正月イベントとして無料で来館者を迎え、被災地の子供たちを楽しませた。


 ショーの再開は3月の春休み開始の頃を目指す。神奈川県や福井県に避難したカマイルカ12頭は1頭が死んだものの、残り11頭は11〜12月に全て戻った。消化不良や体重減少の見られる個体もあるが、程度は軽く、食欲もあるという。


 新設するアシカ舎は従来の約2・7倍の広さ。屋外展示のスペースを設け、これまではショーでしか見られなかったアシカに会うことができる。舎の完成後に避難先からカリフォルニアアシカ2頭を戻し、これにより水族館の全ての生き物が帰還する。海洋動物係長の松岡哲也さん(50)は「長い1年だった。お客さんに喜んでもらえるよう、頑張ってショーの準備をしたい」と笑った。


 展示・海洋動物科長の加藤雅文さん(53)は「休館中から全国の方に助けていただいた。完全な形の展示を楽しんでもらうことで恩返ししたい」と話す。ただ、再開後の入館者数(24年7月20日〜12月28日)は6万7262人で、前年度同時期の21万7960人に比べ約3割にとどまる。能登半島では輪島の朝市や珠洲の塩田なども被災し、観光客数の落ち込みが続く。「能登半島に元気な施設が一つ二つと増えることが、全体の復興の力になれば。水族館の完全再開が、復興の一歩につながればうれしい」と話した。【国本ようこ】



このニュースに関するつぶやき

  • これは微笑ましいとは思うが、石川県の七尾市とかいうド田舎の水族館にどれだけの人が来るのか。人が来なけりゃ掛かった費用も回収できひんやろ。なんでも復旧したら全てヨシではないのでは。
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