山岸凉子「日出処の天子」が、野村萬斎の演出・出演で能狂言化。今夏上演される。
【画像】「鬼滅の刃」が野村萬斎により能狂言の世界に
「日出処の天子」は1980年から1984年にかけてLaLa(白泉社)で連載された物語。飛鳥時代前夜、権勢を誇る蘇我氏の後継者たる毛人は、父に連れられて出仕した朝廷で厩戸王子と出会う。単行本は全11巻が刊行。1983年には第7回講談社漫画賞少女部門を受賞している。
「-能 狂言- 『日出処の天子』」の監修は人間国宝の大槻文藏が担当。山岸は「最初にお話をいただいたときは、ただただ驚き、次に大きな嬉しさに包まれました。あの極限まで削ぎ落とされた舞台で、どのように演じられるのか!? “能・狂言”に全くの素人の私としては正直ハラハラ、ドキドキ。そしてワクワク♫なのです!」と期待を寄せた。
また吾峠呼世晴原作による「能 狂言『鬼滅の刃』」でも演出・出演を務めた野村は「中学生の時に大変興味深く読ませて頂いた『日出処の天子』を舞台化できるというお話に驚きと喜びを噛み締めました」「物語全体が持つ超自然的な、かえって超自然的であるからこそそれを具現化してきた能狂言の手法が生きるのではないかと思っています」とコメントしている。
■ 山岸凉子コメント
サブカルチャー、ポップカルチャーに位置づけられているマンガを、
日本で最古の伝統芸能である“能・狂言”で舞台化する!?
それも私の作品『日出処の天子』を!
最初にお話をいただいたときは、ただただ驚き、次に大きな嬉しさに包まれました。
あの極限まで削ぎ落とされた舞台で、どのように演じられるのか!?
“能・狂言”に全くの素人の私としては正直ハラハラ、ドキドキ。
そしてワクワク♫なのです!
幽玄(奥深く、はかりしれない)の世界を極める“能”、
人間のおかしみを暖かく笑う“狂言”。
ほぼ異業種とも思えるマンガを“能・狂言”で表現しようと挑戦してくださる
大槻文藏さん、野村萬斎さんに深く感謝するとともに尊崇の念に耐えません。
また、この新しい“能・狂言”で、大槻文藏さん、野村萬斎さんとともに
重要な役を担ってくださる若手の皆さんにも期待しています!
■ 野村萬斎(演出・出演)コメント
中学生の時に大変興味深く読ませて頂いた「日出処の天子」を舞台化できるというお話に驚きと喜びを噛み締めました。
壮大な大河ドラマであり、能舞台という最小の空間で最大のドラマをおみせすることは、一つの挑戦であり大きな楽しみでもあります。
皆さんのご期待に添えるよう能狂言の叡智を尽くして挑みたいと思います。
物語全体が持つ超自然的な、かえって超自然的であるからこそそれを具現化してきた能狂言の手法が生きるのではないかと思っています。
■ 「-能 狂言- 『日出処の天子』」
2025年夏上演
□ スタッフ
原作:山岸凉子「日出処の天子」
監修:大槻文藏
演出:野村萬斎
(c)山岸凉子/OFFICE OHTSUKI