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闇バイトに応募して特殊詐欺の「受け子」を務めたとして、大阪府警に男性が逮捕された。容疑者は指示役の人物に「やめさせてください」と通信アプリで懇願。しかし、家族への危害を再三示唆され、実行に踏み切ったとみられる。
男性は東京都中野区の無職、吉武弘斗容疑者(23)。氏名不詳の人物らと共謀し、大阪府吹田市の高齢者宅に「キャッシュカードが不正利用されている」と電話。警察官になりすました吉武容疑者が男性宅で入手したキャッシュカードを使い、ATM(現金自動受払機)で現金50万円を引き出したとして府警吹田署に23日に逮捕された。
署によると、容疑者はSNSで闇バイトに応募していた。秘匿性の高い通信アプリで指示役とやりとりをし、特殊詐欺に加担した疑いがあるという。
署によると、容疑者はほかにも複数回、特殊詐欺をしたと説明。その最中に「仕事をやめたい」と申し出ていた。しかし「やめたら家族に言うぞ! 警察に逮捕されることになるけど大丈夫?」「考え直そうか 君の実家住所知ってるけど。本当に大丈夫?」などと指示役から返事をされたため、吹田市の特殊詐欺に及んだという。逮捕後の調べに「やめたかったが、闇バイトをやめさせてくれなかった」と話している。
闇バイトの勧誘で集められたメンバーらが強盗や特殊詐欺に関与する事例が相次いでおり、警察は応募してしまった人から相談があれば保護する措置をとっている。
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吹田署は容疑者が指示役から脅され、特殊詐欺に加担していくSNS上でのやりとりを再現。幹部は「指示役らに脅されたとしても思いとどまり、警察に相談してほしい」と話している。警察相談ダイヤル(♯9110)や最寄りの署へ。【岩本一希】
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