日本初の「寝台夜行バス」登場、フルフラット型シートで快適移動 9年がかりで共同開発 来月からモニター運行開始

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2025年02月05日 07:10  まいどなニュース

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フルフラット型シートを配備する高知駅前観光の高速バス(提供)

高知駅前観光(高知市)はこのほど、フルフラット型シートのバスの運行を開始すると発表した。同型のシートのバスは全国初。3月から高知〜東京間の夜行高速バスで試験的に導入される。

【写真】バス車内の様子。フルフラット型シートで寝転びながら移動できる

シートの名称は「ソメイユプロフォン」で、フランス語で「熟睡」の意。座席の背もたれを水平に倒すことで、ベッドのようになる。背もたれを倒した状態の1人あたりのスペースは、幅48センチ・長さ180センチ。バス1台で最大24人が利用できる。

「バス業界の夢」…県内企業が力結集

日本のバスの安全規制は厳しく、フルフラット型シートは実現が難しいとされていた。業界の「長年の夢」を同社が実現させた端緒は、10年近く前までさかのぼる。

2016年、当時社長だった梅原國利さん(現会長)が、シートをリクライニングする角度についてルール上の制約がない点に着目。前後二つの座席を同時に倒すことで、2段ベッドのようになるという構造を思いついた。県内の産業用機械メーカー「垣内」、模型製造会社「サーマル工房」の2社に協力を依頼し、9年かけて共同開発した。

国土交通省は昨年、ニーズが高まっているとしてフルフラット型シートを備えたバスについてのガイドラインを策定。ソメイユプロフォンもこのガイドラインに沿い、2点式座席ベルトなどを配備して安全を確保している。

なお同社は、これらの基本的な構造についてすでに特許を取得しており、今後全国のバス会社などに販売していく方針だ。プロジェクトの統括責任者である本多敦史さんは「バス業界全体を盛り上げる新たな移動サービスのツールになれば」と話している。

高知〜東京で約14000円

高知〜東京間の所要時間は約13時間。運賃についてはAIを活用したダイナミックプライシングを採用するため定額ではないが、おおよそ14000円程度を見込んでいるという。なお、同じ距離の他社3列シートバスの運賃相場は10000円〜12000円程度。

3月4日から高知〜東京間でモニター運行を開始。乗客の意見を受けて設備面などについて検討・改善し、今年秋ごろの本格運行を目指す。モニター価格は7300円で、7日正午から予約開始。予約は「発車オーライネット」のネット予約からのみ。

(まいどなニュース・小森 有喜)

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