【ブレイキン】Shigekix王座奪還でAYANEと姉弟Ｖ達成「去年の悔しさ昨日のように」

＜ブレイキン（ブレイクダンス）：全日本選手権＞◇最終日◇16日◇東京・NHKホール◇男女準々決勝〜決勝

男子はパリオリンピック（五輪）4位のダンサー名Shigekixこと半井重幸（22＝第一生命保険）が、2年ぶりに王座奪還を果たした。

決勝で、前回大会優勝で24年世界選手権覇者の菱川一心（19＝ダンサー名・ISSIN）と対戦。前回大会、世界選手権と優勝を阻まれていたライバルに雪辱し、4度目の栄冠を手にした。

豪快なパワームーブを見せた相手に対し、得意とする音楽に合わせて体を止める「フリーズ」など、緩急をつけた自在な踊りで魅了した。「頭で考えずに完全に心で踊れていた」。ジャッジの末に2−1で勝ち切り「去年はこの会場から悔しい気持ちで帰ったのを、昨日のことのように覚えている。強い気持ちで臨んだ」とリベンジ達成を喜んだ。

直前に、姉でダンサー名AYANEこと半井彩弥（27）が、第1回大会以来5年ぶりに女子制覇。インタビューで号泣する姿を目の当たりにし「僕は涙が流せない感じになっちゃった」状況も含め、今大会は笑顔で締めくくり「相反する姉弟でやらせてもらっています」とマイクパフォーマンスもばっちりだった。

業界の第一人者として、今後もシーンをけん引していく。今大会には、昨年1月の能登半島地震で被災した家族や子供たちを招待。今年1月に実際に現地を訪れた際に「自分でブレイキンで何か出来るのではないか」と考えたという。「実際に見てもらって何か感じた物があったらうれしい」と思いをはせた。変わらない目標は、「これからもブレイキンを盛り上げること」。自らの姿で体現していく。【勝部晃多】