大阪地裁=大阪市北区 家で留守番するなどしていた女児10人に性的暴行を加えたとして、強制性交致傷などの罪に問われた元病院職員柳本智也被告(28)の裁判員裁判の判決が18日、大阪地裁であった。伊藤寛樹裁判長は「卑劣、悪質の極みだ」と述べ、求刑通り無期懲役を言い渡した。
無期懲役は同罪の法定刑の上限。伊藤裁判長は、柳本被告が約6年間にわたり、当時8歳から12歳の女児に性的暴行を重ねたと指摘。女児の多くは1人でいるところを狙われ、「殺すぞ、黙れ」などと脅され、カッターナイフを示されたケースもあったとし、「健全に育成されるべき女児を狙い、人格の根幹を傷つけた」と厳しく非難した。
その上で、事件前、長期間にわたって女児の自宅を見張って行動確認をするなど「著しく高度の計画性を備えている」と言及。被害を受けた女児の恐怖や精神的苦痛は想像を絶し、事件から数年たっても被害について話せない女児や、心の成長が滞った女児もいるとし、「罪全体の評価は厳しくならざるを得ず、有期刑の範囲にとどめるのは困難だ」と結論付けた。