電子辞書、販売減少=登場から半世紀、アプリに活路

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2025年03月09日 07:01  時事通信社

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電子辞書が並ぶ売り場=2006年、東京・ビックカメラ新宿西口店(資料写真)
 電子辞書の「国産1号機」が1979年に登場してから約半世紀。入学、就職祝いの定番に数えられた時代もあったが、少子化やスマートフォンの普及を背景に近年は販売台数が急減した。メーカーは次々と撤退し、最大手のカシオ計算機も先月、新モデルの開発中止を発表した。各社はこれまで培ったノウハウを生かし、「学習アプリ」に活路を見いだしている。

 オフィス機器メーカーなどの業界団体、ビジネス機械・情報システム産業協会(東京)によると、電子辞書の国内出荷台数は2007年の280万5000台がピークだった。その後はほぼ一貫して右肩下がりで減少し、23年は前年比24.9%減の38万5000台と、ピーク時の7分の1以下に落ち込んだ。

 1981年に参入したカシオは、96年に高機能モデル「エクスワード」を投入し、人気を集めた。今後は既存製品の生産と販売だけを続ける方針。田村誠治執行役員は開発中止の背景を「教育現場のICT(情報通信技術)化に伴うパソコンの導入がある」と説明する。

 06年にはソニー(現ソニーグループ)が撤退し、シチズンホールディングス(現シチズン時計)とセイコーインスツルも15年に生産、販売を終了した。現在も製造を続ける主要メーカーは、国産1号機を生み出したシャープなど数社にとどまる。

 代わりに各社が力を入れるのが、パソコンやスマホ向けの辞書アプリだ。シャープの「ブレーンプラス」は、画面上の教材から単語をコピーするだけですぐに意味を検索できる。カシオの総合学習アプリ「クラスパッドドットネット」は便利な辞書機能のほか、手書き入力もできる電子ノートなどをそろえた。

 カシオの広報担当者は、「電子辞書のノウハウを生かし、今後はソフト面での教育貢献に軸足を移す」と話している。 

このニュースに関するつぶやき

  • 五感の次に来るのが人体インターフェイス。埋め込み型かな。仕事中は集合体意識を稼働させるために会社のパソコンにリンクさせる。今はSF話だけどあると思う。
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