『ドラゴンボール』連載開始の「週刊少年ジャンプ」破格の金額で落札 漫画雑誌は今後も高騰する?

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2025年03月09日 18:10  リアルサウンド

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380万円で落札された、新品状態の「週刊少年ジャンプ」1984年第51号


■伝説の「ジャンプ」が驚きの380万円に!


  3月7日に実施された「まんだらけオークション」に、ほぼ読まれた形跡がない新品状態の「週刊少年ジャンプ」1984年第51号が出品され、380万円で落札された。鳥山明の『ドラゴンボール』の連載が始まった記念碑的な号で、世界中に探し求める人が多い。オークション開始価格は50万円からだったが、7倍以上の価格で落札されたことになる。



  これまで、雑誌のコレクターと言えば、単行本化されていない漫画を読んだり、雑誌と単行本の違いを見比べるなどの目的で集める人が多かった。例えば、手塚治虫の『ブラック・ジャック』は単行本にまったく収録されていない話があることで有名で、掲載号は10万円前後で取引されることも珍しくない。


  そんななか、近年増加しているのが、名作とされる漫画が表紙を飾った雑誌のコレクターである。『キン肉マン』『ジョジョの奇妙な冒険』『聖闘士星矢』などの新連載号は軒並み高値である。そんなブームの火付け役が『ドラゴンボール』であることは間違いない。純粋に鳥山の絵が魅力的であり、表紙を見ているだけでワクワクしてしまうためだ。


  特に1980〜90年代の「ジャンプ」は人気だ。当時、小学生だった世代が大人になり、金銭的に余裕が出てきたことも背景にあるかもしれない。雑誌の魅力は、単行本では読めないカラーページや特集記事が収録され、特有の紙質やインクの匂いを堪能できる点だ。そして、発売日に書店で手にした時の興奮を追体験できるため、たまらないのである。


  さて、「ジャンプ」の1984年第51号の定価は170円で、数百万部が発行された。全国のどこの書店にも並んでいた、ごくごくありふれた雑誌であった。しかし、漫画雑誌は読み捨てられることがほとんどであり、現存数が少ない。ましてやきれいな状態のものは極めて貴重であり、今回出品された一冊はまさに奇跡的な逸品といえるだろう。


■漫画雑誌のコレクターが増加する可能性

 とはいえ、限定品でもなんでもない雑誌が380万円とは、驚異的な値段である。100万円を超える漫画の単行本は手塚治虫の『新寳島』や藤子不二雄の『UTOPIA 最後の世界大戦』などいくつかあるが、筆者は漫画雑誌がここまで高騰した例を知らない。トキワ荘の歴史を語る上で欠かせない「漫画少年」だって、100万円は超えないのである。


  改めて、黄金時代の「ジャンプ」と『ドラゴンボール』がもつ凄まじいパワーを感じずにはいられない。そして、今回のオークションの盛り上がりは、「漫画雑誌の表紙を楽しむ」「人気作品の新連載号を集める」という新しい楽しみ方がコレクターの間で確立された出来事と言っていい。


  漫画雑誌の発行部数は年々下落しているが、今後、古書の世界では雑誌のコレクターが増加することは間違いなく、市場が活性化するのではないかと筆者はみている。言うまでもなく、コレクターにとっては電子書籍などのデジタルで所有するよりも、紙に印刷された実物があるほうが嬉しいからである。



このニュースに関するつぶやき

  • 追悼号とか出しても良かったでしょ…。『スティール・ボール・ラン』の第1話の号なら良い状態で残ってる筈。次に買った号は『こち亀』連載終了号。
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