アボカド品種改良、7500年前から=中米の遺跡調査―米研究チーム

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2025年03月25日 07:31  時事通信社

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時事通信社

中米ホンジュラスのエル・ヒガンテ遺跡で発掘されたアボカドの種子(炭化または乾燥)。2150〜2300年前の種子は大きく、品種改良が行われたとみられる(米カリフォルニア大サンタバーバラ校提供)
 世界で流通するアボカドの9割を占める品種「ハス種」の祖先は、中米で遅くとも約1万1000年前に果実が日常的に食べられ、約7500年前には栽培時により大きな果実がなる木を選抜する品種改良が始まっていたことが分かった。

 カリフォルニア大サンタバーバラ校などの米研究チームがホンジュラスのエル・ヒガンテ遺跡を発掘し、乾燥または炭化した種子や皮を多数調査した成果として、24日までに米科学アカデミー紀要電子版に発表した。

 アボカドはクスノキ科の常緑高木。果実は健康に良いオレイン酸などの不飽和脂肪酸を多く含み、「森のバター」と呼ばれて人気がある。生産量が増え続けているが、ハス種が大半を占め、接ぎ木で栽培されるクローン個体が多いため、遺伝的な多様性が低い。今後、特定の病気の流行や気候変動で打撃を受ける恐れがあり、研究チームは品種改良が進む前の系統の遺伝子を解析すれば対策に役立つと指摘している。

 アボカドはメキシコや中米に人類が進出する前の時代に3グループに分かれており、このうちハス種の祖先はグアテマラの高地を中心に分布するグループ。隣国ホンジュラスのエル・ヒガンテ遺跡で種子や皮が見つかったのもこのグループだった。栽培はトウモロコシよりはるかに早く始まり、約7500年前から品種改良で果実のサイズを反映する種子が大きくなり、皮も厚くなって輸送しやすくなっていた。 

このニュースに関するつぶやき

  • 桜もクローン?なんかほんとに1本の木から接ぎ木したとか。食べられるヤツでやれって。
    • イイネ!1
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