アムラーの“細眉”から、韓国のふんわり太眉まで…変わりゆく眉メイク 令和最新スタイルは「眉の印象を消す」

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2025年03月31日 09:10  ORICON NEWS

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ペンシル、リキッド、パウダー、マスカラ…様々な形状で登場するアイブロウアイテム
 顔の印象を左右する“眉毛メイク“。これまでさまざまなトレンドがあったが、現在は眉メイク商品を発売している各社がこぞって「眉の印象をなくす」商品を出している。”脱色級“のマスカラ、”薄眉になれる“アイブロウ…ファンデーションのような自眉をしっかり染め上げるカラーで、一旦その印象を忘れさせるのがトレンドになっているという。太眉の時代もあれば、激細眉の時代もあったなか、どのようにトレンドが変化し、今「眉の印象をなくす」方向性になっているのか。BCLカンパニーで、アイブロウ関連商品を手掛ける石井菜穂さんに話を聞いた。

【画像】”脱色級”眉マスカラ、ケイトから韓国コスメまで…価格の比較も

■昭和、平成、令和と変遷してきた眉毛メイク ”細眉文化”の弊害とは?

 顔の中でも、景気や世相など社会的な背景が反映されるやすいと言われる眉。昭和から平成、令和にかけて、まさに“激動の変遷”をたどってきた。

「昭和は、1970年代のオイルショック、1980年代の男女雇用機会均等法など、景気や社会情勢に合わせて、眉のトレンドも細くなったり太くなったりと変化してきました。平成になると、安室奈美恵さんのアムラーブームが起こります。みんなが圧倒的なカリスマをお手本にして細眉にしました。平成ギャルはメイク全体が華やかで、アイメイクも派手な点が特徴。ユーザーの方々の中に『細眉=一番イケてる』という意識があったのかなと思います」

 現在もギャルブームがリバイバルしているようだが、平成時代とは少し事情が異なる。安室や浜崎あゆみら圧倒的なファッションカリスマをただ模倣するのではなく、さまざまな情報を得ながら”自分の中に落とし込む”傾向が強いという。

「今は韓国メイクのような大枠のトレンドがありつつも、自分の好みや骨格、目指すスタイルなどに合わせ、それぞれ違うメイクをしているイメージです。SNSなどでインフルエンサーさんが積極的に発信していますし、韓国のメイクアップアーティストのテクニックもYouTubeなどの動画で簡単に情報を取ることができます。そうした情報を得て、すぐに自分のメイクにも活かす。この循環ができています」

 また今は”垢抜け”のキーワードが軸になっているという。

「眉毛を薄くするのも『垢抜けのためには眉毛を変えるのが一番良い』という考えからで、それぞれが自分に似合う眉メイクを追求している印象があります。基本的には淡い眉メイクがトレンドですが、それを作るためのアイテムやテクニックも、自分の顔の特徴やなりたい印象別に細分化されて、眉メイクの多様化が進んでいると感じています」

 かつては細眉にするために、眉毛を剃るだけではなく”抜く”人も多かった。しかし抜きすぎると生えてこなくなる弊害もあり、そうなると今のナチュラルな眉、ふんわりな眉のトレンドに合わせようとしてもなかなか難しい。

 そうした背景から、眉毛のメイクツールも、ペンシル、パウダー、リキッド、マスカラと“ツールの発展”が加速度を増していった。眉メイクのツールの変遷として、最初は「眉墨」という鉛筆タイプだったが、それからリキッド、パウダー、ペンシルが登場。よりシャープな輪郭が描けるリキッド、眉毛のないところに書き足すためのペンシルなど異なる用途で使われていた。

「細眉にして眉毛が生えなくなってしまった人たちは、毛流れなどを繊細に描ける極細ペンシルやリキッドの筆タイプのアイブロウを使って1本1本を描き足している印象があります。足りない部分に1本1本描き足すことができるアイテムがたくさん登場しているので、好みの質感に合わせてアイテムを選べるようになってきたのが“今”のタイミングなのだと思います。美容医療でアートメイクをしたり、眉サロンで眉毛にパーマをかけて毛流れを変えたりする人もいますが、やはりどんなに整えても気になる部分は出てくるので、アイブロウは切っても切り離せないアイテムとなっています」

■ 「眉は淡い色で仕上げ、まつ毛は黒でバッチリ」がアイメイクの主流に

 そんな眉メイクの転機となったのは、コロナ禍だった。「マスクを着用するようになって、それまでぼんやりとしか見てなかった目元がすごく気になり、意識が向くようになっていきました」。

その結果、ガッツリと外側を縁取って塗りつぶしたような作られた印象の眉というよりも、眉毛サロンなどで作ったような「本当に生えているような繊細な眉毛が主流になってきました」と石井さん。眉全体を塗りつぶすというよりは、眉尻の足りないところなどを描き足すような意識が生まれたのかなと思います」。

 同社からも、0.9mm芯の“極細”なペンシル型アイブロウが2022年2月に発売。「いかにも『メイクで描きました』という仕上がりではなく、簡単に実際に生えているようなリアルな眉を作れるのが良いところ」だという。また同時期に顔タイプ診断や肌色診断(ブルーベース、イエローベース)なども流行り、さらに眉毛へのこだわり、熱が高まっていった。

 それを踏まえ、現在の眉メイクは「淡い色で仕上げる」のがトレンドになっている。
「韓国メイクのトレンドが来ているようで、アイメイク全体を彩度の低いミュートカラーでまとめるのが最近のトレンドだと思います。眉は黒の部分をしっかり消し、淡い色で抜け感を作る。反対にまつ毛はしっかり黒にしてパッチリさせる、というのが主流だと感じています。
 また以前は髪色に合わせて眉毛の色を決める傾向がありましたが、今は髪よりもワントーン明るめの眉毛にするケースも多いです。たとえば黒髪の人が眉を少しアッシュ系のブラウンにしたり、これまでの通説もアップデートされています」

■ ”眉を消したがる”派の登場、「薄眉のトレンド」今後の動向は?

 前述した、眉毛を「淡い色で仕上げる」「髪色よりワントーン明るめにする」というトレンドは、いずれも韓国メイクからの影響が見られるとOOさんは分析する。

「今は韓国アイドルのメイクを手掛けているメイクアップアーティストさんがテクニックをYouTubeなどで発信していて、中には美容系のインフルエンサーにメイクをするという企画もあります。一般ユーザーの方がそうした動画から情報を得て広がっているのかなと思います」

 一人のカリスマを受け入れ、みんなで同じメイクをするのは昔の話。今は、それぞれが自分に似合うものを積極的に模索し、結果そこにたどり着いている。

「ユーザーの皆さんはメイクの研究に熱心で、『自分で情報を取りに行くぞ』という気持ちが強いと思います。そして近年、インフルエンサーさんによる『私が垢抜けた方法』の投稿がすごく増えてきました。そこでは必ずと言っていいほど『眉サロンで自分の似合う形に眉毛を整えてもらった』『セルフで眉脱色をして色を薄くした』と眉毛について言及されていて、それを見た人たちの中で『眉毛の色を消したい』という気持ちが加速したのかなと。『淡色の眉毛=垢抜けてる人』という構図が出来上がっています」

 幼い頃から眉毛が濃くて悩んでいる人も多いが、その中には、脱色クリームで眉毛の色を抜いたり、メイク用のコンシーラーを眉毛に塗ったり、あくまで自己責任での方法をとるケースも多かった。

 SNSで拡散された、そうした発信を見て「眉毛の黒さを消す、眉毛を淡くすることにニーズがある」と気づけたことから、同社では眉毛用のコンシーラー『シークレットサロン 淡眉コンシーラー』を発売し、独自の商品として展開している。

「これ自体が眉マスカラというわけではなく、塗った後に自分の好きな眉マスカラを載せて色をつけることができるアイテムです。ただ淡くして終わりだと、髪色やその日のメイクに合わないこともありますが、この商品は自分の好きな色に変えられるので、とてもご評価いただいています。しっかり眉の黒色を消すことにこだわった処方設計にしているので、お手持ちの眉マスカラを重ねてもきれいに発色して仕上がりも良いです」

 発売前から社内でも評価が高かった商品だが、実際に発売されると、初回見込みの2倍の出荷数で推移し、小売店のアイブロー売上で1位を獲得するなど、大きな支持を得ている。

 今後の眉メイクは、どう変化していくのか? 「薄眉トレンドはしばらく続く」と石井さん。

「今アイメイクでミュートカラーがトレンドになり、メイク全般として”透明感”が謳われています。透明感メイクに合う眉として、今後も黒みを抑えた柔らかい印象に仕上げていくトレンドは続くと思います。眉サロンやアートメイクを利用することもより身近になりそうですし、細かくてリアルな毛流れを意識したメイクは続いていくでしょう。

 今はSNSで発信された情報を活用してメイクに活かすのが当たり前になり、皆さん細かくメイクを研究されています。メイクに合わせて理想の眉も細分化されていくと感じています。ただ『淡い眉』というトレンド自体は続いていくと思うので、ユーザーの方がなりたい眉を簡単に作れるようなアイテムをご提案していきたいと思います」

このニュースに関するつぶやき

  • いやいや、自分の顔立ちに似合うのを選ぼうよ������������ӻ�����それと髪色との兼ね合いね������������ӻ�����年齢にもよるだろうしさ。韓国に寄せなくても垢抜けますよ��ʥѡ���
    • イイネ!8
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