限定公開( 10 )
4月10日は「エアコン試運転の日」。日本冷凍空調工業会と家電製品協会が定めた日で、暑くなる前にエアコンを試運転するよう呼びかけています。
経済産業省は例年、エアコンの購入・設置・修理が夏に集中し、待ち時間が発生していることから、夏本番前の試運転を推奨しています。本記事では家電メーカーが教えるエアコン試運転のポイントをまとめています。
●試運転はいつ?
試運転は、室内温度より3度以上低くして冷房運転を試すため、気温が20度になるころが目安。例年、20度に到達する地域が多い4月〜5月ごろが推奨されます。ダイキンは気温23〜25度が「最適」としています。
|
|
●電源を入れる前にチェック
まずはブレーカーや電源プラグ、コンセントをチェック。エアコンのブレーカーが「入」になっていて、電源プラグにほこりが付着していないか、電源プラグやコンセントに「変色」「がたつき」「ゆるみ」はないか、電源コードに傷はないかを確認します。
さらに室外の排水ホースをチェック。ホースの先端にゴミが詰まっていたり、先端が持ち上がっていたり、先端がたまり水につかっていたりすると、排水ホースから水が流れなくなり、室内機から水漏れが発生する可能性があります。
室外機の上やファンの前などにものを置いていると、風の流れを妨げ、正常な運転の妨げとなる可能性があるため、室外機の周囲も要確認です。
●温度と時間は?
|
|
運転モードを「冷房」にして、温度を最低温度(16〜18度)に設定し、10分程度運転しましょう。冷風がきちんと出ているか、異常を示すランプが点滅していないかをチェック。さらに30分程度(目安)運転し、室内機から水漏れがないか、異音や異臭がないかも確認を。
なお、エアコン試運転を行う際は、マスクをして窓を開けましょう。しばらく使っていなかったエアコンの内部にたまったカビやホコリが、エアコンの風に乗って放出される恐れがあるためです。
正常に運転できた場合は、設定温度を元に戻して運転を停止しましょう。
●暖房は問題なくても……
数週間前までエアコンの暖房機能が問題なく使えていても、冷房と暖房には違いがあります。暖房運転では発生しない室内機側の結露水が、何らかの原因で外に排水できなくなると水漏れが起こります。
|
|
●問題があった場合
ランプが点滅する場合はリモコンのエラーコードや取扱説明書を確認しましょう。
リモコンの液晶画面が見えにくい場合やエアコンが操作できない場合は、電池が消耗している可能性があります。電池を交換しても改善しない場合はリモコンのリセットを試してみましょう。
焦げくさいにおいがする場合は使用を中止し、メーカーや販売店に連絡を。エアコンの風がにおう場合は、エアコンに付着した室内のちりやほこり、生活臭やカビが原因です。エアフィルターの手入れを試してみてください。
エアコンから音がする……という場合、音の種類によって対処方法が異なるため、取扱説明書やメーカーのサポートサイトなどで確認しましょう。例えば「ボコボコ」は「冷媒が、配管の中で空気と一緒に吸い上げられる音」、「プシュー」は「配管の中で冷媒が、冷房と暖房の流れる方向を切り替えるときの弁の音」など、故障ではない、運転により生じる音もあります。
水漏れは箇所や状態によって原因と対処方法が異なります。吹出口からボタボタと水漏れしている場合は、排水ホースに水が通りにくい状態になっている、エアフィルターやエアコン本体内部が汚れているなどで結露水がうまく排出できていない可能性があります。排水ホースが折れ曲がっていないか、詰まっていないか、先端が水に浸っていないかを確認しましょう。
吹出口に水滴がついて落ちる場合は、部屋を冷やしている最中に換気を行ったり、設定温度が19度以下に設定されているなど、結露が発生しやすい環境になっている可能性があります。窓やドアを閉めたり、設定温度を20度以上にしたり、風向を調整したり、時間をあけて運転したりなどして様子を見ましょう。
背面から水漏れしている場合は室内機の設置やドレンホースのトラブル、本体の故障などによる水漏れが考えられます。背面から水漏れや、吹き出し口からの水漏れの対処法を行っても改善がない場合、販売店やメーカーに問い合わせを。
●日ごろのお手入れ
フィルターがほこりなどで目詰まりしていると、冷えが弱くなったり、水漏れの原因になったりするので定期的(2週間に1回程度)なお手入れが推奨されます。
お手入れは、エアコンのコンセントを抜いてから室内機からフィルターを取り外し、掃除機でほこりを吸い取り、水洗いをして乾かします。特に汚れがひどいときは、中性洗剤を溶かしたぬるま湯で洗ってスポンジで優しく拭き取ります。フィルターを強くこすったり、50度以上のお湯を使ったり、直射日光やヒーターの温風で乾かしたりしないよう注意してください。
また部屋の空気が汚れているとフィルターも汚れやすくなるため、小まめな換気が大切です。
●繁忙期の修理、2週間以上待ったケースも
パナソニックの調査によると、2024年夏時期(6〜8月)にエアコンを修理した人の32%が、エアコンを使用できるようになるまで2週間以上かかったといいます。その理由として一番多かったのが、「繁忙期で工事業者の予約が取れなかったため」という回答で67%に上ったといいます。
本格的に暑くなる前にエアコンの不具合を見つけられるよう、早めに試運転しておきましょう。
|
|
|
|
Copyright(C) 2025 ITmedia Inc. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。