「ツレ猫 マルルとハチ」1巻第54回日本漫画家協会賞の受賞作品が本日4月14日に発表され、コミック部門の大賞に園田ゆり「ツレ猫 マルルとハチ」、カーツーン部門の大賞に山口マサル「10人の博士の昼休み」、萬画部門の大賞に坂月さかな「星旅少年」が輝いた。
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「ツレ猫 マルルとハチ」は飼い主のもとを離れて野良猫になったマルルと、目つきの悪い野良猫・ハチを軸に、たくましく生き抜く野良猫たちとその周囲の人々を描く物語。受賞にあたって「『吾輩は猫である』の令和版みたいだ。猫目線で人間の恐さを教えてくれるストーリーがおもしろい。また、作者は猫の生態を良く理解している人とみた」と評された。「10人の博士の昼休み」はイラストレーターの山口によるイラスト本。「確かなデザイン力とポップな色彩。画面を動き回る沢山のキャラクターが見る者の想像力を刺激する。おもちゃ箱のような本である」として受賞が決定した。「星旅少年」では「2020年代に生きる私達の潜在意識に響く物語と一枚絵の美しさが絶妙に紡がれた萬(よろず)の部門に相応しいSFファンタジー作品です」と理由が述べられている。
またまんが王国とっとり賞はとあるアラ子「ブスなんて言わないで」、まんが王国・土佐賞は本庄敬「羆撃ちのサムライ」が受賞。文部科学大臣賞には昨年10月に死去した楳図かずおの全作品が選ばれた。
マンガ文化の普及とマンガ界の向上発展をはかる目的のもとに優秀作品を顕彰するため、1972年に創設された日本漫画家協会賞。第54回では選考委員長を里中満智子、委員を阿部ゆたか、木村直巳、篠原ユキオ、武田一義、永野のりこ、ねもと章子、みさき絵美、三田紀房、山内康裕、山根青鬼が務めた。