自宅の押し入れに父親の遺体を遺棄したとして逮捕された鈴木伸彦容疑者(右)=17日午前、東京都中野区 自宅の押し入れに父親の遺体を遺棄したとして、警視庁中野署は17日までに、死体遺棄容疑で、中華料理店経営の鈴木伸彦容疑者(56)=東京都中野区弥生町=を逮捕した。容疑を認めているという。
逮捕容疑は2023年1月ごろから今月6日、中野区弥生町のアパート一室の押し入れに、同居していた父親で、80代の無職慧悟さんの遺体を隠し、遺棄した疑い。
同署によると、今月6日、中華料理店の近隣住民が「店が1週間くらい開いていない」と交番に安否確認を依頼。アパートを訪ねた警察官が、自殺を図り、首から血を流した鈴木容疑者を発見した。同容疑者が「数年前に帰宅したら、父親が死んでいた。押し入れに隠した」と話したため、室内を捜索したところ、押し入れの中から白骨化した遺体が見つかった。
同容疑者は父親の遺体を遺棄した理由について「22年ごろに母親が亡くなった際、親族や警察とのやりとりが面倒だった」などと説明。「父親に申し訳ない気持ちもあったが、だんだん感覚がまひした。夏場は殺虫剤や消臭剤を置いて対処した」と話したという。
中華料理店は同容疑者の祖父が約70年前に創業。慧悟さんが引退した後は、同容疑者が1人で切り盛りしていた。経営は厳しかったとみられ、「貯金が底を突き、両親も亡くなり、将来を悲観して自殺を図った」という趣旨の話をしている。
同容疑者は自殺を図った際、首5カ所を包丁で刺したとみられ、搬送先の病院に入院していたが、14日に退院し、逮捕された。