警視庁練馬署を出る三菱UFJ銀行元行員の山崎由香理被告=1月15日未明、東京都練馬区 三菱UFJ銀行の貸金庫を巡る窃盗事件で、窃盗罪に問われた元行員山崎由香理被告(46)の初公判が18日、東京地裁(小野裕信裁判官)で開かれた。山崎被告は「全部認めさせていただきます」と起訴内容を認めた。
検察側は冒頭陳述で、貸金庫の管理責任者だった山崎被告は外国為替証拠金取引(FX取引)で生じた多額の損失を補填(ほてん)するため、予備鍵を使うなどして現金や金塊を盗み出し、金塊は質店で換金していたと指摘。貸金庫に預けた現金がなくなっていると顧客から問い合わせがあり、発覚したと述べた。
起訴状などによると、山崎被告は同行練馬、玉川両支店で支店長代理などを務めていた2024年3〜10月、顧客男性3人の金塊計約22キロ(約2億8800万円相当)と現金1650万円を盗んだとされる。初公判ではこのうち金塊の窃盗について審理された。
山崎被告は計約9000万円相当の金塊や現金などを盗んだ窃盗容疑でも追送検されている。
被害総額は約17億円相当に上るとみられ、警視庁はこのうち計約3億8000万円分を立件した。山崎被告は捜査段階でいずれも容疑を認めていた。