警視庁本部=東京都千代田区 警視庁は18日、高齢男性の死亡事案の捜査で訪れたアパートから現金計約3000万円を盗んだとして逮捕した同庁蒲田署刑事組織犯罪対策課の巡査部長小林元気被告(45)=窃盗罪などで起訴=を懲戒免職処分とした。
小林被告は「良心の呵責(かしゃく)を感じた」として、事件後に盗んだ約1500万円を男性の遺族に発送していた。「大金を目の当たりにして魔が差してしまった」と話しているという。
起訴状などによると、小林被告は1月31日夜、東京都大田区のアパート一室に侵入し、リュックの中にあった現金約300万円と合鍵を盗み、2月4日夕にも侵入して現金約2700万円を持ち去ったとされる。
同庁によると、小林被告は上司とともに1月31日昼ごろ、住人の80代男性の死亡事案の捜査のためこの部屋を訪れた。いったん引き揚げたが、署で保管した合鍵を使って同日夜、再び1人で訪れていた。
2月21日に約1500万円を段ボールに詰めて男性の遺族に発送。残りの約1500万円は蒲田署に持参し、事件が発覚した。被告は3月1日に逮捕され、窃盗や占有離脱物横領などの罪で起訴された。
菅潤一郎警務部参事官の話 警察官として言語道断の行為で厳正に処分した。