限界集落を現代集落に=インフラ途絶の地で自給目指す―石川県珠洲市

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2025年04月27日 07:31  時事通信社

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時事通信社

「現代集落」のモデルルーム公開で、水や電気の自給システムについて説明する林俊伍さん(左奧)=26日、石川県珠洲市
 能登半島北端に位置する石川県珠洲市真浦町で電気や水、熱を自給し、災害時にも自立可能な集落づくりを目指す取り組みが始まっている。その名も「限界集落」ならぬ「現代集落」。26日にモデルルームの公開が行われ、地域住民らが訪れた。

 取り組みを進めるのはブロジェクトを運営する社団法人の代表理事林俊伍さん(38)。電気を賄うため、太陽光発電パネルと蓄電池を配備し、生活用水は最先端のろ過装置を使って湧き水や井戸水を利用。熱源としてまきストーブと太陽熱温水器を置く。

 「完全自給」にはこだわらず、万一公共インフラが途絶えても代替手段を持つことを重視する。集落の希望世帯に設備を広げ、今年度中に5〜10世帯の参加を目指す。費用は国の休眠預金活用制度を利用するなどして調達する。

 林さんがこの地に移住したのは5年前。「100年後も住みたい集落」を目指してゆっくり計画を進めていたが、昨年の能登半島地震や豪雨で電気や水道が途絶え、その必要性や周囲の関心が一気に高まった。

 真浦町は、停電解消に丸1年を要し、水道はまだ通っていない。モデルルームを訪れた地元区長の南逸郎さん(85)は「このままいくと年寄りばかりの限界集落になる。若い人が来て集落が元気になるといい」と期待を寄せる。

 人口減少社会で過疎地の公共インフラ維持が難しくなる中、「日本中で30年後に起こることを私たちは今、体験している」と林さん。今後、取り組みを能登地方の他地域に広げ、全国からの視察や研修も受け入れる方針だ。 

「現代集落」で生活用水利用のために使われるろ過装置=26日、石川県珠洲市
「現代集落」で生活用水利用のために使われるろ過装置=26日、石川県珠洲市

このニュースに関するつぶやき

  • 復興ガーというならいっそそういう戯言ほざいてる連中が引っ越せばいいんと違うんかね 度々言っているが老人ばかりのド過疎地を無理に復興させても費用対効果は正直0に等しいぞ
    • イイネ!6
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