速度緩めず突っ込む 強い殺意か 大阪・西成の児童7人重軽傷事故

55

2025年05月02日 09:45  毎日新聞

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

毎日新聞

小学生7人が車にはねられた現場付近を調べる警察官ら。車の後方にはランドセルが見える=大阪市西成区で2025年5月1日、本社ヘリから北村隆夫撮影

 大阪市西成区で下校中の小学生7人を乗用車ではねたとして殺人未遂容疑で逮捕された容疑者が、運転する車の速度を緩めずに児童らに突っ込んでいたことが捜査関係者への取材で判明した。容疑者は「全てが嫌になり、小学生をひき殺そうとした」と供述しており、大阪府警は強い殺意があったとみて動機を追及する。


 東京都東村山市の矢沢勇希容疑者(28)は1日午後1時35分ごろ、大阪市西成区千本中2の路上で、下校中だった市立千本小学校2、3年の男女児童7人を車ではねて殺害しようとした疑いが持たれている。府警に対し、4月まで放射線技師として働いていたと説明。容疑を認めているという。


 容疑者は大阪ナンバーのレンタカーで現場を走行していた。捜査関係者によると、周辺の防犯カメラなどに容疑者の車が児童らに衝突する様子が記録されていた。


 現場は千本小に隣接する北から南向きの一方通行の道路。児童らが道路の端を列になって歩いていたところ、容疑者の車が蛇行しながらスピードを落とさず幅寄せをするようにして、後方から児童らに突っ込んでいったという。府警の捜査で容疑者が児童らをはねた際に車のブレーキランプは点灯しておらず、現場にブレーキ痕がなかったことも確認された。


 府警捜査1課によると、7人のうち2人が骨折していたことが分かり、重傷は2人となった。残る5人は打撲などの軽傷を負った。


 矢沢容疑者は「人を殺そうとして車で突っ込んだ」と話しており、府警は無差別殺人を狙っていたとみて児童らをはねるまでの足取りを調べている。


 児童7人が巻き込まれた市立千本小では2日朝、子どもたちが警察官や保護者らに見守られながら登校した。


 小学2年の男子児童の父親(37)は「今日は心配でついてきた。子どもは『怖い』と言っていた。こんな事故が起きてどうすればいいのか、正解が分からない」と困惑した様子だった。


 小学2年の子を持つ母親(40)は「子どもはまだ詳しく事情を知らないが、今日学校で聞いてショックを受けるかもしれない。当面は送り迎えをしようと思う」と話した。


 大阪市教育委員会によると、事件を受けてこの日は登下校の時間帯に教職員の人数を増やして見回りを強化するという。朝には校長が児童らに説明する機会を設け、学校にスクールカウンセラーも派遣した。市教委の担当者は「通常通りの日常に戻してあげることを最優先にしたい」と話した。【斉藤朋恵、大坪菜々美、井手千夏、露木陽介】



このニュースに関するつぶやき

  • 無差別テロなので死刑にしろよ。
    • イイネ!5
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(38件)

ニュース設定