関東信越国税局が入るさいたま新都心合同庁舎1号館=さいたま市中央区 フジテレビ系列の「NST新潟総合テレビ」(新潟市)が関東信越国税局の税務調査を受け、2024年3月期までの6年間で計約11億円の所得隠しを指摘されていたことが3日、関係者への取材で分かった。重加算税を含む法人税の追徴税額は計約4億円に上る。
関係者によると、NSTは取引がある複数の制作会社に対し、放送予定のない架空のCM制作費を支払ったり、水増ししたりして外注費を計上。架空分や水増し分を制作会社からNSTに返金させ、広告会社側への接待などに充てていたという。
NSTは1968年3月設立で、同12月に放送を開始した。フジテレビ親会社のフジ・メディア・ホールディングスが筆頭株主となっている。帝国データバンクによると、2024年3月期の売り上げは67億4900万円。
NSTは「組織的に所得隠しを意図したものではなく、一部見解の相違はあったが、税務当局の指導に従い修正申告を行い納税した」とコメント。その上で「再発防止策を講じており、引き続きガバナンスの強化、コンプライアンスの徹底に努めていく」としている。