電子コミックの性的広告、業界団体が初のルール SNSでは「ようやく」の声

93

2025年06月05日 11:21  ITmedia NEWS

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

ITmedia NEWS

(出典:日本電子書籍連合公式Webサイト)

 「子どもが見るサイトに性的広告を表示しないで」――世論の高まりを受けて、電子コミックの業界団体が対応に乗り出した。読売新聞などは6月4日、コミック配信大手11社が加盟する日本電子書店連合(JEBA)が、性的表現を含む広告の全年齢向けWebサイトへの出稿を4月末に停止したと報じた。SNSでは「問い合わせてよかった」「ようやく業界が動いた」といった安堵の声が広がっている。


【画像】 「自主規制基準、テレビや新聞レベルに上げて」 オンライン署名サイトでの訴えなど(計4枚)


 同連合は2018年に、海賊版対策を目的に設立された団体で、「まんが王国」「Renta!」「めちゃコミック」「コミックシーモア」などの運営企業が参加。4月30日に緊急会合を開き、加盟社間で初めて性的広告の配信基準を統一した。全年齢向けを想定した媒体には今後、性的広告は配信しないという。


 きっかけとなったのは、日本広告審査機構(JARO)からの情報提供だった。JAROによれば、2024年度に寄せられたネット広告への苦情は604件と前年の2倍超に急増。このうち206件が電子コミックの広告だった。通常は広告主に個別通知を行っているが、苦情の集中を受けて、同連合への初の指摘に至ったという。


 日本電子書店連合によると、性的広告に関するこれまでの対応は、「出稿先やユーザーからの個別問い合わせに対し、その都度広告配信を停止する」といったものにとどまっていたという。同連合は「3月に行われた国会での質疑など、社会情勢を踏まえて判断した」と説明している。


 国会では3月18日、国民民主党の伊藤孝恵参院議員が、学校のタブレットやゲームサイトでの性的広告表示について「いつまで放置するのか」と追及。


 オンライン署名サイト「Change.org」では、「性的なネット広告ゾーニングしませんか?」と題した署名活動も広がっていた。署名は24年9月に開始されたもので、発起人の香川きょうさんは趣旨説明で「インターネット広告業界は性的な広告の自主規制の基準を、テレビや新聞レベルまで上げてほしい。JAROには性的なネット広告も正式な対象として扱い、企業へのフィードバックを行ってほしい」と訴えていた。署名は25年6月時点で10万筆以上を集めており、4日にこども家庭庁に提出された。


 JAROは今後も、苦情が集中する広告主や業界団体に対し、情報提供を行う方針だ。同連合に加盟していない電子コミック配信元をはじめ、美容医療、病院、健康食品、オンラインゲームといった分野でも苦情が相次いでおり、すでに日本オンラインゲーム協会とは情報交換を進めているという。



このニュースに関するつぶやき

  • エロだけじゃなく非表示のカウントが万超えるような広告は配信停止でいい。
    • イイネ!45
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(68件)

ランキングIT・インターネット

前日のランキングへ

ニュース設定