コーチの進言を無視、激怒 日大重量挙げ部元監督、不正徴収を継続

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2025年06月11日 11:31  毎日新聞

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品川署に入る、詐欺容疑で逮捕された日大重量挙げ部元監督の難波謙二容疑者=東京都品川区で10日午前10時29分、新宮巳美撮影

 日本大重量挙げ部の奨学生の保護者が学費名目で現金をだまし取られた事件で、詐欺容疑で逮捕された同部元監督の難波謙二容疑者(63)が、複数のコーチから不正徴収をやめるよう進言を受けていたことが捜査関係者への取材で判明した。警視庁捜査2課は、難波容疑者が進言を拒み、部内での強い権限を使ってコーチに不正徴収を指示していたとみて調べる。


 難波容疑者は2022年12月上旬ごろ、同部に入部予定の奨学生の保護者4人に虚偽の請求書を送付し、計205万円をだまし取ったとして逮捕された。難波容疑者は不正徴収を男性コーチと共謀したとされる。


 捜査関係者によると、この男性コーチは警視庁の任意の事情聴取に対し、虚偽の請求書を送る手法について難波容疑者に疑問を呈したことがあるが、無視されたと説明したという。


 難波容疑者は20年以上にわたって不正徴収を続けていたとみられる。別の元コーチが不正徴収をやめるよう難波容疑者に進言した際には、激怒されて、訴えを一蹴されたという。


 難波容疑者は00年から24年間にわたって監督を務め、部内で絶対的な権限を持っていたとされる。コーチ陣は東京都狛江市の難波容疑者の自宅から神奈川県藤沢市のキャンパスへの送迎をさせられたり、意見が合わないと叱責されたりしていたこともあった。


 日大では、各競技部が奨学生から学費を集め、学部に振り込む「代理受領」という制度があった。難波容疑者はこれを悪用し、学部からの正規の振込依頼書を虚偽の請求書に差し替え、奨学生側に送付していたとみられる。


 一連の不正徴収は難波容疑者がコーチ陣に指示していたとされ、虚偽の請求書の作成、保護者とのやりとりなどはコーチ陣がしていたとみられる。


 難波容疑者は「寄付金として、保護者の了解を取り付けてもらったお金という認識だ」などと容疑を否認しているという。


 警視庁は、難波容疑者が少なくとも15年度からの10年間で、入部する奨学生の保護者48人から計約3800万円をだまし取ったとみている。【山本康介、長屋美乃里】



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