
【写真】もっふもふ! 現在展開中のスティッチのかわいすぎるグッズ
映画を起点に、数十年ものあいだ観客を魅了し続けているディズニー。日本ならではのタッチポイントの特性を生かして約20年にわたり愛されつづける作品フランチャイズを実現している事例に『リロ&スティッチ』が挙げられる。
アニメーション映画『リロ&スティッチ』が日本で劇場公開されたのは、2003年のこと。しかし、スティッチブームが到来したのは、映画公開から数年後の2007年だった。テレビ番組『サクサクヒムヒム ☆推しの降る夜』(日本テレビ系)では、劇場公開と関係のないこのタイミングで社会現象となったきっかけについて、「平成ギャル」の影響があったと紹介。2008年になると、スティッチのグッズ売り上げがミッキーマウスやプーさんと並ぶほど人気を博していたという。同ブームは2012年まで続いた。
それを後押ししていたのが、沖縄を舞台にした日本制作のアニメ『スティッチ!』シリーズ。2008年〜2011年まで地上波放送された本作は、イザヨイ島に不時着したスティッチが、この島に暮らす少女ユウナから、どんな願いもかなえてくれるという「ちたまの石」の伝説を聞き、「宇宙一の力」を手に入れようと張り切るというストーリーだ。なお、願いをかなえてもらうには43のイイコトをしなくてはならない。
シーズン2の『スティッチ!〜いたずらエイリアンの大冒険〜』では、スティッチたちが東京ディズニーランドに訪れる「スティッチ、東京ディズニーランドへ行く」という回が放送されたこともあった。さらに、東京ディズニーランドでは、同回をモチーフにし、不時着した宇宙船やスティッチたちの足跡などが現れたことも。アニメとパークが連動した施策が行われていた。
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こうしてディズニーは、アニメーション映画から生まれた物語が、テレビアニメーション、続編、そして日本を舞台にしたローカルアニメ、さらに、商品は日本のファンをつかむクリエイティビティで独自の発展を長期的に実現。ディズニーのエコシステムは、映画から生まれた物語がパークなどの特別な体験から、消費者の毎日の生活で物語に触れる機会を届けるテレビアニメーション、商品、ディズニープラス、ゲームなどのタッチポイントがあるのが強みだ。
加えて、ディズニー・エンターテイメント共同チェアマンのアラン・バーグマンは「実写映画化を発表して以来、ディズニープラスとグッズ商品の両面でこの作品は爆発的に広がりをみせている」とコメント。実際に、ぬいぐるみ、日用品、ファッション雑貨など、日本ではこの映画の中の世界観を表現した商品だけで約500種類の新商品を展開しているほか、ディズニープラスでは、『リロ&スティッチ』関連コンテンツの累計視聴時間が約5億4600万時間を達成(『リトル・マーメイド』とほぼ同等)とその人気は数字にも現れている。
ウォルト・ディズニー・ジャパン コンシューマ・プロダクツ ブランド・コマーシャリゼーション バイスプレジデント&ゼネラルマネージャーの兼田裕之氏は、コンシューマ・プロダクツ事業が目指すのは、ファンが日常生活の中でディズニーの物語を体験できる商品を生み出し、ファンたちの毎日にワクワクやハピネスをお届けすることだとコメント。
「ディズニーにとって商品は、物語の感動やキャラクターとのつながりを毎日感じられる形にする大切な存在だと考えています。これは『リロ&スティッチ』にも当てはまります。2003年のアニメーション映画の公開以来、このフランチャイズは日本で愛されるテレビシリーズやアトラクション、そしてスティッチを中心とした多彩な商品展開へと広がってきました。今回の実写版『リロ&スティッチ』の公開にあたり、映画の中の世界観を表現した商品だけでも、ライセンスパートナー様約30社に協力いただき、ぬいぐるみから日用品まで500種類近くの幅広い新商品を展開しています。ぜひ、ひとつでも多くのハピネスをお届けできればと願っております」と話す。
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アニメーション映画『リロ&スティッチ』の公開から20年以上経った今でもブームが衰えなかったのは、ディズニーの継続した戦略が功を奏したからだろう。劇中の「オハナは家族。家族はいつもそばにいる。何があっても」の名言の通り、パークやテレビアニメーション、商品、ディズニープラス、ゲームなどを通して、スティッチは常にわたしたちのそばにいてくれたのだ。