『北斗の拳』新作アニメ、最新の映像技術でどう変わる? 原作バトルシーンの迫力を再現できるか

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2025年06月30日 08:00  リアルサウンド

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北斗の拳公式情報局のXより @hokutonokeninfo

 1980年代の少年ジャンプを支えた格闘漫画の金字塔『北斗の拳』が再びアニメ化されることが決まった。タイトルは『北斗の拳 -FIST OF THE NORTH STAR-』となり、2026年に放送・配信されるという。2023年に、原作40周年を記念してアニメ制作が発表されていたが、満を持しての発表となった。


■『北斗の拳』再アニメ化でどうなる?

 原作は1983〜1988年にかけて連載され、子供たちの間で爆発的なヒットとなり、全27巻を刊行。「週刊少年ジャンプ」黄金期を支える原動力となった。アニメも1984年から放送開始し、その後、映画やOVAなども製作され、ヒットしている。シリーズディレクターを芦田豊雄が手掛けるなど、数々の著名アニメーターが製作に関わった。


 近年、1980〜90年代に放送されたアニメのリバイバルブームが起こっている。現代と大きく違っているのは、絵がかつてはアナログで描かれていたのに対し、現代はデジタル化という点にある。80年代のアニメは“セル”という素材に色を塗った絵(セル画)が描かれ、それを1枚1枚撮影して映像を作っていた。


 セルにはアニメーターが“鉛筆”で描いた動画の線が、トレスマシンという道具を使って転写される。鉛筆の線は勢いがあるため、『あしたのジョー』や『巨人の星』のスポ根アニメで重宝された。そして、『北斗の拳』のような格闘・アクションアニメでも線をあえてかすれさせるなどして、迫力ある映像を生み出すことに一役買っていたのである。


 『北斗の拳』の原作は原哲夫の迫力ある絵と、緻密に重ねられた線が特徴だった。アニメは絵を動かす必要があるため、キャラクターデザインの段階で線が大幅に省略された。しかし、迫力のあるバトルシーンが実現したのは、アニメーターが鉛筆で描いた勢いある線のおかげであったといえる。


■原作の緻密な線、迫力をどこまで再現できるか

 さて、現代のアニメはパソコンの画面上で絵が描かれることが多く、アナログで作業するアニメーターも均一な太さの線を引くことが求められるケースが基本になった。そのため、あるリバイバルアニメでは、一部の古参ファンから「セル画の時代よりも、バトルシーンに勢いがなくなった」という意見がみられた。『北斗の拳』はどうなるだろうか。


 このたび発表されたキービジュアル第1弾には、拳を握り、指を鳴らしているケンシロウが描かれている。かなり原作に忠実な絵柄である。現代のデジタルの技術なら、原作の緻密な線をそのまま動かすことも可能かもしれない。いったいどのような映像になるのか今から楽しみだが、現代のアニメの技術を結集して、手に汗握るバトルシーンを実現してほしいものだ。



このニュースに関するつぶやき

  • 近頃のリバイバルブームは、「作品をリアルタイムで楽しんだ世代が、リバイバル企画を通しやすい地位に就いているから」なのではないかと思うのです。
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