最後の運行を終え、多くの人に見送られながら車両基地に引き揚げる「カシオペア」=30日午後、東京都台東区のJR上野駅 かつて上野―札幌間を結び、近年ではツアー列車として運行してきたJR東日本の「カシオペア」が30日夕、最後の運行を終え、上野駅に到着した。仙台を巡る最後のツアーに参加した乗客は「幸せな時間でした」と笑顔を見せ、集まった鉄道ファンからは「ありがとう」の声が上がった。
午後5時半すぎ、カシオペアは警笛を響かせながら上野駅13番ホームに入線。ラストランで32回目の乗車という埼玉県の女性会社員(31)は「景色を見たり、ダイニングカーでの食事が魅力だった。一番最高の旅だった」と喜びをかみしめた。
1999年デビューのカシオペアは、オール2階建ての豪華寝台特急として人気を集めた。北海道新幹線開業に伴い2016年に定期運行を終了した後は、臨時のツアー列車として月に数回、上野から東北地方の主要駅を中心に運行。しかし、老朽化により引退が決まった。
カシオペアの引退でJR東の寝台列車は「トランスイート四季島」のみとなるが、27年春から新たな夜行特急の運行を始める。

最後の運行を終え、JR上野駅に到着した「カシオペア」=30日午後、東京都台東区