売り切れで、転売も続出…「慌てず店頭予約を」 イギリスで“日本人初”のダガー賞翻訳部門の受賞作、異例の21.4万冊の重版

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2025年07月11日 07:10  まいどなニュース

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ダガー賞翻訳部門受賞、王谷晶さんの『ババヤガの夜』。異例の21.4万部重版が決まった

日本人作家として初めて、ダガー賞(英国推理作家協会主催)の翻訳部門を受賞した王谷晶さん。受賞作『ババヤガの夜』は、一時売り切れという書店もあり、転売品が続出。そんななか発行元の「河出書房新社」は21.4万冊の緊急重版が決定したことを9日、Xにて発表しました。

【写真】日本人初の受賞作は…?

初版単行本は2020年秋発売、昨年には英訳も

ケンカに強く、暴力を唯一の趣味とする主人公・新道依子が、暴力団会長の娘・尚子を護衛することになって……。

信頼関係で結ばれた2人のシスターバイオレンス小説は、ロサンゼルス・タイムズで「この夏読むべきミステリー5冊(2024年)」に選ばれるなどダガー賞受賞以前から国内外で話題に。単行本・文庫本、電子版の累計発行部数は、3.8万部を超えていました。

ロンドン時間7月3日に発表されたダガー賞翻訳部門受賞を機に、その注目度はさらに高まり、書店やネットでは一時在庫切れに。

SNSでは、「どこの本屋に行っても見つからない」「本屋はしごしてる」「これは書店で手に取りたい」など同作を探し求める人の声や、「入荷しました!」など在庫状況を伝える書店も。

この状況に乗じ、あるフリマサイトには通常価格より高値をつける出品者が現れました。そこに、とあるXユーザーからスクリーンショットを添えて〈「ババヤガの夜」早速転売ヤーの餌食になってるんだけど、河出書房新社さんが丁寧にコメントを付けてらっしゃってて泣ける…〉とのポストが。

河出書房新社が社名を名乗って、フリマサイトでの高額転売を控えてほしいと出品者へ直接お願いをし、今週中には重版が出来て品薄状態が解消されることを、投稿していると指摘するものでした。

その投稿を、河出書房新社はXで「めっちゃコメント削除&ブロックされます」と引用しつつ現状を報告。

また、7日にも「早いお店には今週末、入荷する見通しがたちました。
客 注 は 絶 対 出 すので慌てず店頭でご予約ください」
と読者へ定価での購入を呼びかけており、Xユーザーからは、「重版を待つ」「店頭で買う」と、応援の声が続出しています。

同作の単行本・文庫本を出版する河出書房新社は、同賞受賞直後に文庫本(税込定価748円)3万部、単行本(税込定価1650円)2000部の重版を決めていたそうです。

今回の急遽の21万超えの重版について「まいどなニュース」編集部が問い合わせたところ、ダガー賞翻訳部門受賞後に、文庫本合計21万部、単行本合計4000部の緊急重版を決定し、書店納品するとの回答。10日以降に、「ダガー賞翻訳部門受賞」の帯を付けた同作が並ぶことになる予定です。

既に読み終えた人々の「みんな読んで!」「濃度がすごい」「強さも美しさもあって、全部鮮烈」などの感想、「実写化するなら、誰がいい?」「漫画化して」という要望の声などもあり、今後の展開についても注目を集めそうです。

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・宮前 晶子)

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  • 絶版にすらなっていない本を転売で買うのはアホでしょ。
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