6月に実施したローソン「盛りすぎチャレンジ」はどうだった? 過去最多の商品数がもたらした効果

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2025年07月20日 06:00  ITmedia ビジネスオンライン

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第5回の「盛りすぎチャレンジ」の反響は?

 ローソンが2023年2月に始めた人気企画「盛りすぎチャレンジ」は、商品の重さや具材を約1.5倍に増量しながら、価格はそのまま据え置くのが特徴だ。


【画像】インパクト強すぎ! 6月に販売したローソン「盛りすぎチャレンジ」の増量商品(計5枚)


 2025年6月に実施した今回のキャンペーンは5回目を数える。ローソン創業50周年にちなんで、商品の増量幅を50%に設定した。過去のキャンペーン期間中は全て、前年と比べて平均客数が増加しており、いまやヒット企画として定着している。


 キャンペーンの背景や狙いについて、同社商品本部統括部長の友永伸宏氏に話を聞いた。


●ローソンが大切にしているチャレンジ精神


 1998年に入社し、約20年間商品開発に携わってきた友永氏は、からあげクンや弁当、スイーツ、冷凍食品など幅広いカテゴリーを担当してきた経験から、ローソンが一貫してチャレンジ精神を大切にしていると話す。


 「盛りすぎチャレンジ」はその象徴だ。友永氏は「物価が上がる中でも、日頃からご利用いただいているお客さまに、感謝の気持ちを込めてお得を届けたかったんです」と語る。


 基本的にキャンペーン施策は1回目が最も効果が大きく、回数を重ねるごとに落ち着いていくのが一般的である。しかし、盛りすぎチャレンジは逆に回数を重ねるごとに反響が大きくなっていったという。最初はローソンの定番商品を対象としていたが、徐々に定番ではない商品にも拡大していった。


 友永氏は「入社以来、ダントツで反響を呼んでいるキャンペーンですね。2番目に反響があった施策が思い浮かばないくらいです」と力説する。


●利用者の反響は?


 利用客はこのキャンペーンをどう受け止めているのか。ローソンではSNS専任チームがテキストマイニングを活用して消費者の声を拾い上げている。「やばい」「最高すぎる」といった普段のブランドイメージを超える言葉が出ると、手応えを感じるという。


 こうした利用客の熱量こそが盛りすぎチャレンジの最大の原動力だ。また、SNS上でのリアクションを常に把握することで、柔軟に消費者の声を反映する体制が整っていることも、ヒットの背景にある。


 キャンペーン中の商品を設計する際には、「味のクオリティーはそのままに、『嬉しいところ』だけ増えているという感覚を目指している」(友永氏)という。


 実際に第5回のキャンペーンの対象商品であるプレミアムロールケーキを確認すると、全体が均等に50%大きくなっているのではなく、ホイップクリームの部分が50%増えている。これは見た目にも大きなインパクトを与えている。


●コストと品質の両立への挑戦


 とはいえ、価格を変えずに増量すれば、当然収益への悪影響がでるだろう。この点についてはどのように考えているのか。


 友永氏は「原価は当然上がりますが、そこは創意工夫で乗り越えています」と語る。例えば、容器の構造を工夫して物流コストを下げる、原料を大量発注することで仕入れ単価を抑えるなど、利用客から見えない部分での原価を調整。また、盛りすぎチャレンジキャンペーンを行う際は通常時の約6倍ほどの仕入れ量を確保している。


 これらの仕組みを整えるため施策開始のスピードも早い。2025年2月に第4回の盛りすぎチャレンジキャンペーンが行われたが、それとほぼ同時期に今回の第5回盛りすぎチャレンジキャンペーンに向けての企画や仕入れに動いていたという。


●家族や友人と分け合う楽しさを


 盛りすぎチャレンジのキャンペーンの根底には売り上げや利益、話題性だけでなく「食を通じたつながりが生まれてほしい」というテーマがある。


 友永氏は「SNSで『家族で盛り上がった』『友達とシェアした』という声を見ると、本当にやってよかったと思います。みなさんの幸せの瞬間に食を通じてご一緒させていただけていることが、何よりもうれしいです。そのような意味で、これからも盛りすぎチャレンジキャンペーンは続けていきたいです」と語った。


 今回の第5回では、対象商品が過去最多の合計41品。初回は12品からのスタートだったが、回を重ねるごとに「もっと食べたい」「全種類制覇したい」といった声が集まり、商品数を増やしてきた。友永氏は「第6回、第7回と続けていく予定です。お客様が心待ちにしてくれる限り、全力で応えたいですね」と語る。


●第5回の反響


 第5回の反響はどうだったのか。同社の広報担当者は「売り上げの増加率は過去のキャンペーンと比較して最高だった」と手応えを語る。


 これまでの盛りすぎキャンペーンと比べ、対象商品の供給数を増やした結果、商品欠品の問い合わせが減ったという。また、SNSで「商品がない」「買えない」といった反応が少なくなっているという認識を示した。


 キャンペーンの影響で「ローソン=ボリュームがある商品を展開している」という認知にもつながっていると広報担当者は説明する。


 消費者の声を拾いながら工夫を重ねてきた「盛りすぎチャレンジ」は、いまやローソンの定番企画となった。今後も継続的な改善を重ねながら、どのように展開されていくのか注目される。



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