
天気図に「クジラの尾」が見えたら猛暑のサインです。今週は「くじらの尾型」となり、北海道〜九州にかけて、最高気温35℃以上の猛暑日続出。熱中症に厳重な警戒が必要です。
暑さの記録がでる時期
昨日19日(土)は東北北部も梅雨明けとなり、これで梅雨のない北海道を除き全国的に夏本番。毎年、「梅雨明け10日」といって、梅雨明け後10日間くらいは安定した夏空が続き、強い日差しが照り付け気温が上がります。特に、7月下旬のこの時期〜8月のお盆にかけては各地、一年でも最も暑くなり、暑さの記録が出る時期です。
日本の暑さの記録1位は41.1℃で、浜松市(静岡)2020年8月17日と熊谷市(埼玉)2018年7月23日で観測しました。その他、各地の暑さの記録をみても、7月下旬〜8月のお盆の頃に観測されている所がほとんどです。
天気図に注目 「くじらの尾」が見えたら猛暑に警戒
暑さの記録が出やすい時期ですが、特に注意が必要なのが天気図に「くじらの尾」が出現した時。このような気圧配置の天気図は「クジラの尾型」と呼ばれ、暖かい空気に包まれて、全国的に厳しい暑さに見舞われます。
上図(右側)は、2013年8月12日9時の天気図です。1012hPaの等圧線に沿って曲線を描いてみますと、クジラが泳いでいるような形に見えます。この「クジラ」に囲まれた領域は太平洋高気圧に覆われているため、晴れて気温が高くなっています。この日は全国的に厳しい猛暑となり、多くの観測点で高温の記録を更新しました。なかでも、高知県四万十市江川崎では、当時国内の観測史上1位となる最高気温41.0℃を記録しました。
左の図は2019年8月3日午前9時の天気図をもとに作成したイメージ図です。日本付近を覆う太平洋高気圧の等圧線(イラストのオレンジ線)の形がクジラの胴体と尻尾に似ています。この日は、900地点あまりある全国アメダスの内、約9割で最高気温が30℃以上の真夏日となりました。北海道登別では観測史上1位となる32.4℃を観測し、福岡県久留米では最高気温38.4℃を観測しました。
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今週は「クジラの尾型」 北海道〜九州で35℃超え続出
週間天気図をみると、今週は「クジラの尾型」が続くため、23日(水)〜24日(木)をピークに北海道〜九州にかけて最高気温35℃超え続出となる見込みです。
また、夜も気温の下がり方が鈍く、熱帯夜(夜間の気温が25℃以上)が続きます。「休息・冷却・水分補給」をこまめに行い、熱中症に警戒が必要です。