危険な暑さから警察官守れ!=首クーラーにスプレーも―現場の意見採用・警視庁

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2025年07月23日 07:34  時事通信社

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時事通信社

ネッククーラーを身に着ける警察官=10日、東京都中央区
 厳しい暑さが続く今年、警視庁は現場の警察官らが安全に活動できるよう、首元を冷やすネッククーラーの使用を新たに認めた。冷感スプレーの配布に加え、送風機付きのベストも試験導入するなど、試行錯誤を繰り返しながら危険な暑さへの対策に取り組んでいる。

 ネッククーラーは交番勤務の警察官からの要望をきっかけに導入が決まった。制服の襟の中に隠して身に着けるよう指導するなど、服装との調和にも配慮。7月に内勤を含む全職員へ配布したところ、「首の周りが涼しくなり業務効率が上がった」などの声が寄せられた。

 今夏は一部の警察署で、現行の制服よりも薄く吸水性に優れたポロシャツ型の夏服や、空調ベストも試験的に導入。着用者の意見を踏まえ、本格導入の是非を検討する。

 衣類に吹き掛けて使う冷感スプレーも昨年から配布しており、現場の警察官に好評だ。「パトロールから戻った際などに使用すると、瞬間的に体感温度を下げることができる」との声が集まっている。

 警視庁が暑さ対策グッズの導入を始めたのは2019年で、東京五輪開催を前にペットボトルの携行を認めたのが最初だ。羽田保義地域総務課長は当時を振り返り、「警察官がペットボトルを持っていいのか、外で水を飲んでもいいのかという認識があった」と語る。ただ最近は、炎天下で活動する警察官を案じるメールが都民から届くこともあり、「暑さ対策に市民の理解を得やすくなった」と感じているという。

 最高気温35度以上の猛暑日は年々増加している。東京消防庁管内で昨年6〜9月、熱中症とその疑いにより救急搬送されたのは7996人。警視庁職員が業務中、熱中症になるケースも3年連続で50件を超えた。

 羽田課長は「暑さによって警察活動に支障が出れば、都民の生活に影響が及ぶ」と強調。「現場の声を取り入れながら、警察官が快適に活動できるよう対策を進めたい」と意気込んでいる。 

送風機付きベストを着用する警察官=10日、東京都千代田区
送風機付きベストを着用する警察官=10日、東京都千代田区

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  • 警官も消防士も人間。もしもの場合は 涼しい場所へ。
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