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宮崎大学と宮崎市の研究チームは9月3日、ネコの皮脂に含まれるRNAを使い、感染症ウイルスを検出する新たな検査技術を開発したと発表した。あぶらとりフィルム(フィルムタイプのあぶらとり紙)を用いた、注射や採血を伴わない方法で、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)ウイルスや、FIV(猫エイズウイルス)の検出が可能という。
ウイルス感染の検査には従来、血液を使うのが一般的だったが、動物にとっては身体的なストレスが大きく、検査者にも感染リスクやけがの危険があった。
実験では、あぶらとりフィルムを使ってネコの耳や顔など複数の部位から皮脂を採取し、感染症ウイルスのRNAを検出することを試みた。
その結果、抽出したネコの皮脂からSFTSとFIVのウイルスRNAを検出することに成功した。血液検査と比較しても、RNAの量を示すCt値に大きな差はなく、新たな手法でも従来と同等の信頼性が得られることが分かった。また、検体の採取部位ごとに感度と採取のしやすさを比較した結果、皮脂の採取に最適な部位は耳であると判断した。
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研究チームは「この手法を状況に応じて活用することで、より非侵襲(猫を傷つけない)で安全性の高い評価法の開発が期待される」とコメント。今後は、さらにこの検査法の最適化と普及を進め、幅広い現場での活用を目指すとしている。
研究成果は9月3日、宮崎市で開催された第168回日本獣医学会学術集会で発表された。
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