捨ててスッキリする服と、実は後悔する服の“決定的な違い”。人はなぜ服の整理に失敗するのか

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2025年09月24日 08:50  女子SPA!

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みなさんこんにちは、ファッションスタイリスト&ライターの角佑宇子(すみゆうこ)です。朝晩は涼しく、爽やかな風が吹き始めると衣替えももう間近。昨今では、あまりモノを持たないことが良いこととされがちです。しかしその一方で、大事なものまで捨ててしまって後悔する……といった出来事も増えたように感じませんか? 今回は、本当に捨ててスッキリ服、実は後悔する服の見極め方についてご紹介します。

◆最近、服を捨てて後悔することが増えた

これはあくまでも筆者個人の体感ですが、最近、服を捨てて後悔することが以前よりも増えたように感じます。それは、服の趣向が変わったからとか、捨てるべき服の見極めが甘くなったとか、そうした取捨選択の問題だけではないような気がしています。

というのも、私は毎シーズン衣替えの季節にかかわらず、何か服を一着購入したら一着は捨てるというようにこれ以上クローゼットがパンパンにならないように調整をしているからです。

残す服、捨てる服の選び方の趣向が多少変わったとしても、5年前と今とで取捨選択の仕方は大きく変わってはいません。筆者が手放す服の基準は一貫して、デザイン的に古くなって着ないもの・傷んでいるもの・状態は良いけど趣味ではなくなったものです。しかし、ここ数年はとくに最後の「状態は良いけど趣味ではなくなったもの」を捨てるときに、後悔することが増えました。

原因はおそらく「昔のほうが服の品質が良いものが多かった」からではないかと考えています。例えばですが、昔3万円で購入したワンピース。デザインも形も自分の趣味ではなくなったので手放した。けれど、あの素材の質、縫製の状態の良いワンピースを今、同じ3万円台で探そうと思ってもなかなか見つからないのです。これはとくに、コートやワンピースといった単価の高いアイテムで起こりがちですね。

◆デザイン・形が古くても、残すべき?

では、どういう服なら残すべきなのでしょうか。たとえ状態が良くて高品質な服でも、身につける自分にときめきがなくなってもう着ない服なら、タンスの肥やしになってしまうだけですよね。

しかし、その「ときめき」は時間とともに変わることがあります。今はデザインが古いから着る気にはなれない。そんな服を長く持ち続け、改めて見直してみると「意外とこれは今の時代にもう一度、着られるかもしれない」となる服も少なからず存在します。

また、5〜10年前ぐらいまでは、高品質で状態の良い服が、それなりに手頃な価格で手に入っていたので、ときめきが薄くなって捨ててもまた新しく手頃な価格でお気に入りの服を新調すれば良かったのです。

しかし今のアパレル市場は、高品質な服はより高く、ペラペラな服は圧倒的に低価格といった、コストの二極化が本格化しています。昔のように、2〜3万円台で品質の良い服がゴロゴロしているわけではないので、捨てるか否かの判断はより一層厳しく審査をするほうが、後悔のない選択をできるのではないでしょうか。

◆捨てて後悔する服・スッキリする服の特徴

とはいえ、やはりなんでも残していいということでもありませんよね。ときめかない服をいつまでも置いていると、クローゼットを眺めた時に「なんとかしなきゃなぁ」というネガティブな気持ちが漂い、楽しいものにはなりません。

ではどうすれば良いのか。見極め方はいくつかありますが、とくに以下のポイントを押さえると、比較的失敗の少ない選択ができるのではないでしょうか。

<捨てて後悔する服>
・とにかく生地の質が良い(肌に馴染む・快適さを感じる)
・ウールやシルクなど高級素材のもの
・着こなしの工夫次第で何パターンかコーデが組めるもの
・シルエットや丈は古くても、装飾があまりないシンプルな服

<捨ててスッキリする服>
・購入当時、大流行したデザインの服(5年以上経過)
・かわいいけどペラペラで、友達の前では着られない服
・サイズの合わない服

◆筆者が残す服・手放す服の基準は

筆者個人の判断基準としては、「高品質な服」「シルエットや丈に古さはあっても、デザインはスタンダードな服」は、今は着る機会がなくても置いています。これらは、捨てたらもう同じ価格で手に入らないかもしれないと感じるものでもあります。

その一方で、かわいくても品質が悪くて安っぽく見える服や、サイズの合わなくなった服は思い切って手放します。また、特徴的なデザインで流行した服はリバイバルされたとしても、昔そのままのデザインで返り咲くことはないのでこのタイプも捨てて後悔は少ないはずです。

◆何を捨てるかより、何を残すかが大事

服を捨てるということは、新しい自分に刷新していく大切な作業です。服の整理そのものは良いことですが、大事なのはそれ以上に「服をどれだけ捨てられるか」ではなく「どの服を残すか」ではないでしょうか。

年齢とともに変化する価値観・環境に応じて、一緒に長く人生を歩める服を残していきましょう。それと同時に、新しく迎える服も、しっかり吟味を。「本当にその服、欲しいの?」という気持ちを持って、強く頷けるものだけを少しずつ買い足していく。そうすれば服の整理に悩むことも減って、素敵なライフスタイルを送れそうですよね。ぜひ、参考にしてみてください。
<文&イラスト/角佑宇子>

【角 佑宇子】
(すみゆうこ)ファッションライター・スタイリスト。スタイリストアシスタントを経て2012年に独立。過去のオシャレ失敗経験を活かし、日常で使える、ちょっとタメになる情報を配信中。2023年9月、NHK『あさイチ』に出演。インスタグラムは@sumi.1105

このニュースに関するつぶやき

  • 確かに昔の服はしっかりした作りのものだらけだった。ユニクロもね。四半世紀以上着てるフリースの上着とか愛用してるし!
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