米Googleは10月17日(現地時間)、ユーザーのプライバシーを保護しつつ、最適な広告を表示するためのイニシアチブ「Privacy Sandbox」(日本では「プライバシーサンドボックス」)のほとんどの関連技術を廃止すると発表した。実質的なプロジェクトの終了だ。
Googleは米ADWEEKに対し、「Chrome、Android、Web全体のプライバシー向上に向けた取り組みは継続するが、プライバシーサンドボックスというブランドは今後廃止していく」と語った。
プライバシーサンドボックスは2019年8月に発表されたイニシアチブ。ユーザーのプライバシーを保護しながら、Webサイト運営者や広告主がビジネスを継続できるように、サードパーティCookieに代わる新しい技術を開発する取り組みだった。
サードパーティCookieは、プライバシー上の問題は大きいものの、長年にわたってWebの無料コンテンツを支える広告の仕組みの根幹であり、これを廃止しようとする試みは、広告業界から強い反発を受けていた。また、英CMAなどの規制当局が、Googleがこの取り組みで、自社に有利なルールを作って競合を排除しようとしているのではないかと監視していた。
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こうした、すべての関係者を納得させる合意形成が非常に困難な中、Googleは約6年間、何度も方針を転換し(記事下の「関連記事」を参照のこと)、今年4月には「ChromeでユーザーにサードパーティCookieの選択を求める新しいスタンドアロンのプロンプトを展開しない決定を下した」と発表している。
プロジェクトは終了するが、このイニシアチブの下で開発された「Cookies Having Independent Partitioned State(CHIPS)」などの少数のツールは維持し、開発者が不正行為や悪用を削減するための追加のアプローチも検討していくとしている。
プライバシーサンドボックス担当副社長のアンソニー・チャベス氏は発表文で「今後の展開としては、廃止されたプライバシーサンドボックス技術から得た知見を活用し、エコシステムからのフィードバックを得るためにWebプラットフォームの提案を共有し、開発者の選択とユーザー保護を最優先に据えた開発を進めていく」と述べた。
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