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中古自動車販売店の倒産が急増している。東京商工リサーチによると、9月30日までの倒産は82件で、前年同期の1.5倍に増加した。年間の件数でも、過去10年で最多だった2018年(93件)を超える見込みだ。
コロナ禍以降、半導体不足による新車供給の落ち込みや円安による輸出の増加で、国内では中古車の供給が不足し、価格相場が高騰している。小規模・零細の中古車販売店は、仕入価格の上昇により売れ筋の車両の確保が難しくなっているほか、コスト高も進んでいる。
倒産原因の1位は「販売不振」(64件)で、2位は代表者の死亡など「その他」(6件)、3位は「既往のシワ寄せ(過去の負債の影響)」(5件)だった。形態別では「破産」(78件)が断トツに多く、その他「特別清算」(3件)と「取引停止処分」(1件)が挙げられた。
資本金別に見ると、「1000万円未満」(73件)が最も多かった。負債総額は59億6200万円で、前年同期の1.9倍。「負債1億円未満」が78.0%と、小規模倒産が中心だが、「負債1億〜5億円未満」が17件と前年同期の3.4倍に増え、負債を押し上げた。
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従業員数別では「5人未満」(72件)が最も多く、次いで「5〜10人未満」(9件)、「20〜50人未満」(1件)だった。最も多いエリアは「関東」(27件)で、「近畿」(13件)、「中部」と「九州」(同12件)、「北海道」(7件)と続き、地方での増加も目立ち始めた。
中古車販売店の経営破たんが増え、代金を支払ったものの納車されない顧客トラブルも目立っている。東京商工リサーチは「購入時に約束されたアフターケア、修理対応を受けられない事態も懸念され、メーカー系ディーラー、独立系大手を交え、街の中古車屋の生き残りは厳しさを増している」とコメントした。
本調査は、2025年9月までに発生した全国の倒産のうち、中古自動車小売業を対象に集計した。
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