※写真はイメージです新車を購入する際にオプションはどうするべきか。値段も決して安くはないので、どこまでつけるべきか迷いどころでしょう。筆者は以前、大手日系自動車ディーラーに営業マンとして勤めていましたが、オプションは目的やライフスタイルによって、“つけるべきもの”と“不要なもの”がかなり変わってきます。今回は元ディーラー目線で「本当におすすめ/絶対におすすめしない」オプションを紹介します。
◆絶対におすすめしないオプション
はじめにおすすめできないオプションから見ていきましょう。
自動車メーカーが公式で用意しているオプションカタログに記載されているディーラーオプションであれば保証もありますので選んでも問題ありませんが、LEDバルブなどの電球はネットショッピングで買って自分で取り付けた方が安あがりです。この場合、車に不具合が生じると自己責任になるので、ケースバイケースといえます。
一方で、ディーラーが独自に用意しているオプションは選ばない方が無難です。よくあるのが、「レスキューセット」のような名称の三角表示板やシートベルトカッターなど、非常時に使う用品セットです。これはディーラーにとっては“利益の宝庫”で、このセットに入っている物は、自分自身で買い集めた方がお得です……。
他にはディーラー施工のコーティングもおすすめできません。コーティング専門スタッフがするなら良いほうで、店舗によってはメカニックが空き時間にボディの下地処理もせずにコーティングする場合もあります。コーティングは専門知識や技術を有した人が、車の下地処理をしっかりした上で行わないと最大の効果が発揮できません。レベルの低いコーティングに10万円以上も払うのは無駄ですので、どのような施工をされるのか確認することを強くおすすめします。
◆本当におすすめしたいオプション
絶対選んでおいて損はないオプションはズバリ「メーカーオプション」です。メーカーオプションとは、新車発注時に、生産している工場でしか装着できないもので、大半のメーカーオプションは後付けができません。
例えば、ミニバンの電動スライドドア、SUVなどのパワーバックドアがわかりやすい例ですね。これ以外にも寒冷地仕様やオートエアコン、サンルーフも後付け不可です。
最初に数万円〜数十万円の出費となりますが、長い目で見れば選んでおいて良かったと思えるはずのものばかりです。予算の問題もあるかと思いますが、メーカオプションには惜しまず投資しましょう。
◆ディーラーがおすすめするオプションをつけないと後悔する可能性も…
最後に、私のディーラー時代のお客様のエピソードをご紹介します。他社のSUVからミニバンに買い替えたお客様で、車についてあまりこだわりがなく「ミニバンに乗れさえすればいい」という感じでした。商談中に「標準の左側に加えて右側も電動にして両側にした方が絶対に良いですよ」とおすすめしたのですが、「子供は左側から乗り降りするからいらないよ」とのことで、選ばれませんでした。
ですが、新車納車から半年後、引越し先の駐車場事情が変わってしまって電動スライドドアのある助手席側が壁側にビッタリと寄せる駐車を強いられてしまいます。点検で会うたびに「運転席側も電動にしておけばよかったよ……」と後悔していました。
そのお客様は、乗っているミニバンがマイナーチェンジするタイミングで新型車に乗り換えました。所有期間は約2年間。10万円程度の両側電動スライドドアを付けていれば、2年後に数百万円の出費をする必要はなかったので、勉強代としては高くついてしまった買い物だったことでしょう。
<文/宇野源一>
【宇野源一】
埼玉県在住の兼業ライター。大学卒業後、大手日系自動車ディーラーに就職。その後、金融業界の業務・教育支援を行う会社に転職し、法人営業に従事しながら、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP資格を取得。X(旧Twitter):@gengen801