【最近食べた?】なぜ「ウエハース」は食玩でよく目にするのか? 人気の秘密をバンダイに聞いてみた

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2025年11月11日 07:30  ねとらぼ

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食玩でおなじみのウエハース(画像:PIXTA)

 幼いころに誰もが一度は手に取ったことがありそうな、おまけ付きのお菓子。「食玩」と呼ばれるこの商品、同封されているお菓子はどんなものをイメージするでしょうか。


【画像】ウエハース食玩が増えている様子


 さまざまなアニメ作品とコラボしている「バンダイの食玩」を編集部が調べたところ、お菓子はチョコレートやキャンディの他に「ウエハース」が多いという結果が得られました。どうして、食玩のお菓子にはウエハースが選ばれているのでしょうか?


【ねとらぼ調査】コラボ食玩は「ウエハース」が多いって本当?

 バンダイキャンディ事業部が運営するバンダイ キャンディ公式サイトの「販売カレンダー」にて現在公開されているウエハース商品の種類を、ねとらぼ編集部で調べたところ、2010年1月から2025年9月までに販売されたものを合わせると、その数はおよそ900もあります。2025年1月から9月だけを見ても、毎月6〜14種類の商品(再販品なども含む)が発売されていました。


※記事執筆時点。商品名に「ウエハース」(全角・半角問わず)という名称を含む商品を「ウエハース商品」として集計しています。


 このことからも、食玩におけるウエハースの商品数は、右肩上がりであることが分かります。これは商品の需要が高まっている指標と言えるでしょう。実際、ウエハース商品の年間販売数は1億4000万枚を超えているのだそうです。


食玩にウエハースが選ばれる理由をバンダイに聞いてみた!

 ねとらぼ編集部の調査データから、バンダイ食玩のウエハース商品が多いことはわかっても、その理由まではわかりません。そこで、バンダイ キャンディ事業部に取材し、質問をぶつけてみました。


 担当者によると「おまけ付きのお菓子にウエハースが多いのは、構造的にも品質的にもカードやシールなどのおまけと非常に相性が良いためです。平たく軽いお菓子なので一緒に封入してもシールが折れにくく、常温でも品質が安定しやすいのが特徴です」とのこと。


 ウエハースは乾燥していて保存性が高く、パッケージングしやすいお菓子。購入者のお目当てである「おまけ」を、きれいな形で届ける目的に沿っていることが理由の1つになっているようです。


 さらに「長期販売がしやすく、シリーズ展開にも向いています。今では“ウエハース=シール付き”という認識が定着しており、消費者にもなじみのあるフォーマットになっています」というコメントもありました。このことから、シリーズ展開を通じてリピーターを獲得している様子もうかがえます。購入者側になじみがあり、認識を外さないという点も、食玩のお菓子にウエハースが選ばれる背景にはあるようです。


好調な食玩事業、理由は「IP多様化」×「付加価値」

 バンダイでは、市場の動向や消費者のニーズを的確に捉えながら、年間約400種類もの食玩・コレクション菓子を企画・展開しています。その中で、100万個を超えるヒット商品も数多く生み出しているのだそうです。こうした食玩事業そのものが好調な理由も、バンダイ キャンディ事業部に聞いてみました。


 担当者によると「食玩事業の売上が堅調に推移している背景には『展開IPの多様化』×『付加価値(おまけ)の進化』×『ファン文化の拡大』という3つの要因が大きく寄与していると考えます」とのこと。


「展開IPの多様化によって人気IPとのコラボが増加し、子どもから大人まで幅広いファン層にアプローチできたのではないかと考えています。また、おまけ(カード・シール)のクオリティが向上したことも1つの要因と思われます。印刷技術やデザイン表現の進化により、コレクションアイテムとしての完成度が高まり、“集めたくなる”価値が高まっているのではないかと思います」


 さらに、近年の「推し活文化」や「コレクション文化」についても、「“推し”を楽しむ文化が浸透し、コレクション欲のあるユーザーが増えたと感じます。SNSを通じて『開封動画』が拡散されるなど、ファンが主体的に情報発信、収集するようになったのも要因ではないでしょうか」との見解を示しています。


広がる“推し活”文化 市場規模は3.5兆円という試算も

 バンダイ食玩の好調の一因と分析された「推し活文化」は、年齢や性別を問わず多くの人々に浸透し、今や無視できない規模へと拡大しています。


 今回、編集部内で“推し活”に関わる情報を調査したところ、日本銀行が四半期ごとに発表する「さくらレポート」でも、推し活を含むこだわり消費が好調であると報告されていることが分かりました。また、SNSでも推し活に関連したポストが数多く見つかります。


 推し活の厳密な定義はないため、その市場規模は不明ですが、推し活総研の調査によれば、2024年の市場規模は約3.5兆円にものぼるとされます。またデータによれば、幅広い世代が推し活に取り組んでいる様子も見えてきます。


 バンダイの食玩事業は、展開IPの多様化によって、幅広い世代の推し活という需要に見合った供給を実現し、成長しているのかもしれません。その中でウエハースは、「おまけ」のワクワク感にプラスして日常的に楽しめるお菓子として、食玩の広がりに貢献していると言えそうです。



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