第3回「更年期川柳」授賞式にアンミカ登壇 最多5307通の中から選ばれた作品は?『大人のおしゃれ手帖』主催

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2025年11月19日 15:00  リアルサウンド

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 50代向け女性ファッション雑誌『大人のおしゃれ手帖』(宝島社)が主催する第3回「更年期川柳」の授賞式が、11月18日、東京・Elegante Vitaにて開催された。


 2023年より始まった「更年期川柳」は、なかなか話題にしにくい更年期の不調を川柳にのせることで、多様な諸症状の認知を広め、当事者たちの気持ちが少しでも前向きになるようにと願って生まれたもの。



 そんな祈りが通じたように、回を重ねるごとに応募数も倍増。3回目となる今年は過去最多となる5307通が寄せられた。体と心のゆらぎを笑いに変えていく。そのマインドが具現化したように、授賞式もクスクスッと笑顔がこぼれる和やかな式となった。


■2025年らしさが出た「AI」「万博」「古古古米」


 今年、審査員長を務めたのはアンミカ。30代に甲状腺の機能が低下する橋本病を患ったことで、早くから更年期症状に苦しんだという過去を持つ。そんなアンミカと橘真子編集長が登壇すると、さっそく受賞作品の発表へ。招待された読者30名とともに受賞作品を楽しんでいくことに。作品が読み上げられると、会場からは思わず笑いやどよめきが湧いた。


【編集長賞】「揺れ動く 心の声を 聞き管理」(ああ言えばこう裕子/女性・75歳)


橘編集長「いい言葉がたくさん盛り込まれた作品だと思いました。“心の声”に耳を傾けることはヘルスケアをしていく部分でとても大切。さらに、危機管理を“聞き管理”としているところが巧みで前向きなニュアンスも感じられました」


アンミカ「川柳はみなさんが知っている言葉をどう入れ込むかがポイント。今年、いたるところで聞かれた“危機管理”の言葉を上手に取り入れていらっしゃって、グッと共感できる。さすが編集長賞!」


【特別賞】「古古古米? いいえ私は てんてこまい」(ラベンダー/女性・50歳)


橘編集長「今年は“令和の米騒動”とも言われたくらい印象的な出来事でした。そんなお米のことで世間がてんやわんやしているなかでも、諸症状でそれどころじゃないっていう更年期の心境が笑いを交えて伝わってきました」


アンミカ「“てんてこまい”っていいですよね〜。揺らぎと叫びがこんなにユーモラスにまとめられるって本当にうまいですよね。明るい光をもらえたような気持ちになりました」


【パナソニック賞】「一時すぎ、寝られず二時越え もう惨事」(りっくん/女性・43歳)


橘編集長「誰もが経験したことがあるであろう、あのソワソワ感。次の日のパフォーマンスが落ちるとわかっているのに眠れない。そんな焦りに共感しつつ、ストーリー性があってオチもある素晴らしい作品でした」


アンミカ「私にもあります。疲れてるんですよね。けれど考えることが多いからなのか頭は覚めちゃう。そして翌朝のメイクのりが“惨事”っていうね(笑)。私は最近、眠れなかった翌日は無理をせずちょっとだけ目をつぶってお昼寝をするようにしています」


【銅賞】「症状は 万博共通 博覧会」(ひさきち/女性・47歳)


橘編集長「今年は万博をテーマにした作品がたくさんあるなかで、いろんな不調があることが、どんなパビリオンがあるのかなって感じた気分とうまくかけあわせてシンプルに表現した作品だなと思いました」


アンミカ「いろんな症状があるけれど、その悩みは万国共通! 万博では『大阪ヘルスケアパビリオン』のアンバサダーを務めさせていただいたんですが、年を重ねることが怖くなくなる技術がたくさん開発されていることがわかりました。みなさん、未来は明るいですよ!」


【銀賞】「初期化したい アプデもしたい わが体調」(ちゃぴこ/女性・42歳)


橘編集長「今いる状況から考えて“あの頃に戻りたい”、“このステージを抜けたい”っていう気持ちがギュッと凝縮された作品だと思いました。更年期はよく長いトンネルに例えられますが、その抜けた先を“アップデート”という言葉で表現されているところにポジティブなニュアンスを感じました」


アンミカ「体調の変化、心の問題をPCやスマホになぞらえたのがとても上手ですよね。私の場合は、春・夏・秋・冬の四季に、“更年期”という新しい季節ができたという考え方のアプデをしました。だから、過ぎ去ったかと思いきやときどきぶり返したりしますけど(笑)。みなさんもそう捉えてみてはいかがでしょうか?」


【金賞】「旦那より AIある励まし 目が潤む」(けんちゃん/女性・62歳)


橘編集長「読んだ瞬間くすっと笑えるユーモア。そして、AIというキーワードがピックアップされているなかで、AIと愛を掛けているところにもほっこり。ぜひ旦那様、ご家族の方が、更年期ってどんな症状がでるのかなとをAIで知ってほしいなという気持ちも込めて金賞に!」


アンミカ「人に言いにくいことをプロンプトに入れるのはおすすめです。だんだん育っていくので。私のところにいる“AIアンミカちゃん”もすごい優しいの(笑)。本当に温かい言葉をもらえると目が潤むんですよね。どれだけこういう言葉を求めてたんだろうって。“愛”と“AI”を重ねながら、愛あるチクリをしながら、旦那さんにしっかり頑張ってほしいですね!」


■更年期は心の手をつなぐチャンス「川柳で笑顔の観覧車をぐるぐる回して!」

 会場には、銅賞のひさきちさん、金賞のけんちゃんさんが登場。橘編集長から賞状と目録、そしてアンミカから花束が贈呈された。会場からも温かな拍手が送られた。


 ひさきちさんの受賞コメント
 「40代後半で体調の変化を感じるようになり、自然とこの川柳が浮かびました。17文字に注目していただいたことに加えて、憧れのアンミカさんにお会いできたことに感無量です。この受賞の喜びを力に変えて、更年期を乗り越えていきたいと思います。」


 けんちゃんさんの受賞コメント
 「この度はこんな素敵な賞をいただきましてありがとうございます。日頃から娘が川柳をしていまして、“この川柳は実際に経験したお母さんにしかわからないから頑張ってみたら”と言われて挑戦しました。今年、自分にもAIブームがありまして、症状についてたずねると、まず最初に“お辛いですね”って共感してくれて。いろいろ話をしていると“今日はゆっくりおやすみくださいね”と癒やしてもらって。“こんな言葉、人生で誰にも言われたことない。これからは私にはAIがいる”って強く感じました。そのことを主人を借りて、面白く詠んでみました。今回の受賞をAIに報告して褒めてもらおうと思います!」


 まるで、“更年期あるある”を共有するお茶会のような雰囲気で行なわれた授賞式。最後にアンミカが「更年期の変化も、一生懸命生きている証」とポジティブなワードで締めくくる。もちろん、綺麗事や笑いに変えられないほど深刻な症状があることも踏まえて、「更年期川柳というイベントがあることで、よりみなさんが“自分だけじゃないんだ”って感じて、1人でも共感できるし、誰かと語り合うこともできる。軽やかに表現していける時代になっているのが、すごく素敵だなって思いました」とにっこり。



 さらに、「一聞かれたら十喋る私ですが、五・七・五でまとめる川柳は苦手。だから、こんな短い文章のなかで更年期の迷い苦しみを笑いに変えることができる才能豊かな方がたくさんいらっしゃって、笑顔の観覧車がぐるぐる回りました!」とアンミカ節を炸裂させながら「めっちゃ下手だけどチャレンジしてみようかな」と意欲を見せて笑いを誘った。


橘編集長が「コミュニケーションが一番の処方箋」と語っていたとおり、この「更年期川柳」が、様々な困りごと・悩みごとを少しずつ軽くしてくれる。そんなきっかけを作っていくことを実感する時間となった。



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  • いちいち解説は不要。それより沢山の作品を載せて欲しい。
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