【アメフト】史上初の「関西決戦」甲子園ボウルが確定！関西２位の立命大が関東１位の早大を破る

＜アメリカンフットボール全日本大学選手権：早大31−42立命大＞◇29日◇準決勝◇東京・スピアーズえどりくフィールド（江戸川区陸上競技場）

アメリカンフットボールの大学日本一を決める甲子園ボウル（12月14日、阪神甲子園球場）が、史上初めて「関西決戦」になることが確定した。今年で80周年を迎える日本一決定戦の出場権を決める全日本セミファイナルで、早稲田大（関東1位）が立命館大（関西2位）に敗戦。もう一方の準決勝は関西学院大（関西1位）と関西大（関西3位）が明日30日に戦うため、早大が関東最後の牙城だったが、阻めなかった。立命大は2年連続11度目の決勝進出を決めた。

甲子園ボウルは長く学生の東西王座決戦として行われてきたが、昨季から全日本大学選手権が拡大され、関東と関西の出場枠が1から3に増えた。そのため関西勢がともに準決勝を突破すれば、歴史が変わる可能性が出ていた。昨年は法政大が準決勝で関学大を破って許さなかったが、今年はついに破られた。

社会人のパナソニックで選手、監督として日本一を経験し、母校に復帰着任1年目の早大・荒木延祥ヘッドコーチは「関西対決を許せば、このスポーツに未来はない」と燃えて根本から鍛え直してきたが届かず。反対に「西高東低」の実力を存分に見せつけた立命大の高橋健太郎監督は「甲子園を満席にして人気を再加熱できる試合をしたい」と2週間後を見据えた。

その立命大は2連覇へ、あと1勝とした。エースQB竹田剛（4年＝大産大付）が、第1クオーター（Q）開始わずか27秒で先制タッチダウン（TD）ラン。守備陣も前半だけで3インターセプトを含む4つのターンオーバーを奪い、うち2インターのDB藤津伊琉（3年）がMVPに輝いた。

攻めては竹田が、ハーフタイムを挟んだ前半終了間際に74ヤードのロングTDパスもゲット。後半開始早々にも長いパスを通し、プロ野球DeNA竹田祐投手を兄に持つ強肩で、関東王者に立ちはだかった。

早大は今年、関東大学リーグ1部上位TOP8を7戦全勝で3季ぶりに制した。初の日本一を目指して3年ぶり8度目の甲子園を狙ったが、切符をつかめなかった。最初の攻撃で関東QB船橋怜（4年＝早大学院）のパスがことごとく奪われ、頼みのエースRB安藤慶太郎（4年＝早大学院）も、開始早々の第1Q途中に無念の負傷退場。最後は松葉づえ姿で終戦を見守り、仲間と涙した。守備陣も、悪い条件で始まり続けた相手シリーズに立ち向かって強力オフェンスを止めていたが、後半に力尽きた。

立命大は、これで早大に公式戦5戦全勝。早大は、甲子園ボウルに初出場した02年に14−51で立命大に敗れて以来、またもはね返された。今春の交流戦は立命大49−0早大。今回は11点差で、早大が進化は示したものの、関西の壁は厚かった。立命大が、関東の雄を退けた勢いでV2に王手をかけた。【木下淳】