「お金に代えられない」=自力で探し、買い戻しも―トケマッチ事件
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2025年12月27日 07:31 時事通信社

高級腕時計シェアリングサービス「トケマッチ」を巡る事件では、運営会社「ネオリバース」に預けられた時計の多くが売却されていた。「お金に代えられない」。中には、思い入れのある時計を自力で探し出し、買い戻した被害者も。専門家は同様のサービスについて「リスクを意識する必要がある」と話す。
同社は、預かった腕時計を5段階に分けて評価。オーナーには時計の貸し出しの有無にかかわらず、一本につき月額約4000〜約2万4000円の預託料を支払っていた。
埼玉県の40代自営業男性によると、普段使っていない時計を活用しようと、2022年8月に同社にロレックス3本(650万円相当)を預けた。毎月預託料が振り込まれたため、翌年、5本を追加したが、24年1月、サービスの終了と同社の解散が発表された。時計は戻らず、男性は「後悔している」と悔しさをにじませた。
20歳の時に初めて購入し、息子に譲る予定だったという時計も含まれており、男性は自力で時計を探し続けた。これまでにシリアルナンバーから質屋などで5本を見つけ出し、計約760万円で買い戻したが、3本の行方はいまだに分かっていないという。
消費者問題に詳しい金田万作弁護士は、インターネットなどを通じ、物や場所などを貸し借りする「シェアリングエコノミーサービス」で事業者を介した場合、貸した物を直接管理できない危険性を指摘。事業者について「中には説明自体がうその可能性もある。それ相応のリスクを意識する必要がある」と注意を促した。
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