家電量販店が美容カテゴリを強化する背景とは? ECとも連携 店をタッチポイントに

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2026年01月02日 18:00  BCN+R

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 最近、家電量販店の店頭で「香水」「スキンケア」「韓国コスメ」などを見かけませんか? ドライヤーや美顔器の体験エリアのすぐ隣に、コスメがずらりと並ぶ――男性の来店者が多かった以前なら考えられなかった光景です。こうした変化の背景にあるのは、ギフト需要の拡大と、体験できて即日持ち帰れる量販店ならではの利便性。こうした“ギフトマーケット化”の理由を分析します。

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●美容家電だけじゃない 家電量販で「コスメ」や「香水」が売れている

 最近、大手家電量販店の美容コーナーを歩くと、「あれ、電気屋さんでコスメってこんなに扱ってたっけ?」と驚く人も多いのではないでしょうか。ドライヤーや美顔器の横に、香水・スキンケア・リップ・メンズケア……。明らかに「美容カテゴリの棚」が増えており、家電だけでは完結しない“トータルビューティー”を提案する売り場づくりが進んでいます。

 なかでもヨドバシカメラが2024年6月に池袋駅東口にオープンした「Yodobloom 池袋店」は象徴的。美容家電とコスメをまとめて体験できる新業態で、ターゲットを女性に絞った目新しさはもちろん、今後の池袋エリア進出に向けた意気込みも感じられました。

 一見すると家電とは無関係にも思えるコスメが、なぜ量販店の棚に?その背景には、ギフト需要の増加と購買体験へのニーズ変化という、大きな市場トレンドが隠れているのです。

●売り場の風景が変わった!“家電×美容”の融合が進む

 家電量販店の美容コーナーは、今まさに“変革期”のまっただ中です。美顔器やドライヤーといった美容家電は以前から取り扱いがありましたが、香水・肌診断機器・スキンケアアイテム・メイク用品まで、カテゴリーがどんどん拡張しています。

ポイント1:美容家電とコスメの「トータル提案」が主流に

 店頭では、実際にヘアドライヤーで仕上がりを試せる体験コーナーのすぐ近くに、ヘアオイルやスタイリング剤が並ぶケースが増えています。「風で仕上げて、オイルでツヤをプラスして完成!」という流れをその場で体験できる、いわば“サロンのワンストップ版”に。

 肌診断機器や美顔器の体験スペースでは、肌質分析と合わせてスキンケアラインのおすすめを紹介してくれる店舗もあり、まるで百貨店のビューティカウンターのよう。

ポイント2:「プレゼントにおすすめ」ポップが急増

 家電量販店では、昨今ギフト提案が強化されているように感じます。美容家電とコスメをセットにしたギフトボックスはもちろん、フレグランスのミニサイズセットやバラエティパックなど、プレゼント用需要を意識した売り場づくりが目立ちます。

ポイント3:SNSでも「電気屋で香水」が当たり前に

 SNSで「ヨドバシで香水デビューしました」「ビックカメラで韓国コスメ買えた!」という投稿が増加中。コスメショップ並みの品揃えに驚く声も多く、従来の“家電を買う場所”というイメージが確実にアップデートされつつあります。

●なぜ今、“美容カテゴリ”が量販店で伸びているの?

 では、どうして家電量販店で美容カテゴリが急成長しているのでしょうか。大きく4つの理由が考えられます。

新型コロナ禍以降、増えた“自分へのご褒美”需要

 在宅時間の長期化を機に、美顔器やスキンケアなど自分磨きへの投資が増加。美容家電を買うついでに、関連するコスメをセットで買うケースが多く、カテゴリ同士の相性がよいことが成長を後押ししています。

百貨店より入りやすく、オンラインより体験できる“中間地帯”

 いまの消費者が求めているのは、“気軽に試せて、すぐ買える”というライトなビューティ体験。家電量販店はその理想的な場所になっており、性別・世代を問わず来やすい点も強みです。

 百貨店のコスメカウンターは敷居が高く、オンラインは実物が試せない。そのギャップを埋めてくれるだけでなく、商品が豊富に試せる・ポイントでお得に購入できる・そのまま持ち帰れるという“全部入り”で、気軽にコスメを手に取れる環境が整っています。

美容家電とコスメをまとめて“ギフト提案”できる

 ドライヤーとヘアオイル、美顔器とスキンケアのセット、香水とギフトボックス。このように“使って完成する体験”をまとめて購入できる売り場構成は、誕生日や記念日などのギフト需要との相性が抜群。年末年始などの各商戦期でも売上伸長が期待されます。

●ギフトマーケット化が進む大手3社の最新トレンド

ビックカメラ

 ビックカメラはもともと生活雑貨から日用品まで何でも揃う強みがあり、韓国コスメ・メンズケア・香水なども幅広く取り扱っています。最大10%などのポイント還元が特徴で、コスメを「ポイント」だけで買うユーザーも多い模様。特に若年層の来店機会増加につながっており、売り場の回遊性も高まっています。

エディオン

 美容・健康家電売り場をリニューアルし、“ライフスタイル提案型”にシフト。美容家電の体験スペースを広げたり、ヘルスケア・スキンケア商品との関連展示を強化したりと、“使って実感できる”売り場作りを積極的に推進しています。

ヨドバシカメラ

 東京・池袋のYodobloomでは「体験 × 美容家電 × コスメ」の一気通貫型ビューティフロアを提案。従来の家電販売のイメージに加え、ビューティ目的の新しい顧客層を取り込むことで、売り場価値を大きく広げています。なお、同じブランド名を冠する別の新業態「Yodobloom SAKE 梅田店」はお酒の体験型販売ショップなので、Yodobloomブランド自体はビューティーに特化したものではないようです。

●家電量販は「電気屋」から「ギフトストア」へ

 かつて家電量販店といえば、冷蔵庫・テレビ・PCといった大型家電が中心でした。しかし今は、そこに“美容”という新たなカテゴリーが加わり、売り場の価値そのものが進化しています。

・コスメ・香水・スキンケアの取り扱い拡大

・美容家電とのトータル提案

・ポイント還元 × 体験 × 即日購入

・ギフト需要の取り込み

 これらが組み合わさり、家電量販店は「ギフトを選ぶ新定番スポット」へと変貌中です。

武田千冬

 美容誌や女性ライフスタイル誌、コスメのクチコミメディアで10年以上の編集・ディレクター経験を経て、現在は美容やライフスタイル領域をメインに活動するフリーライターに。2025年春に第一子を出産し、妊娠・出産・子育てなど女性のライフステージに関連するカテゴリでも実体験をベースにコラムなどを執筆。

このニュースに関するつぶやき

  • ドラッグストアに韓国コスメやドライヤー他品見かけるね 子供まで韓国製化粧品買ってるけど韓国女子は日本製買って使うらしい
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