鈴木誠也(写真=Getty Images) 3月に開催されるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。2023年の第5回大会に続く連覇を狙う侍ジャパンは、メンバー30人のうち29人を発表済みだ。
26日の3次発表で新たに名を連ねたのは、山本由伸(ドジャース)と鈴木誠也(カブス)といった実績十分のメジャー組に加えて、今季から活躍の舞台を日本からメジャーに移す村上宗隆(ホワイトソックス)、岡本和真(ブルージェイズ)ら。文字通り日本を代表する侍たちが集結した。
注目は最後の1枠に誰が選ばれるかだが、外野手が4人しか選ばれていないことを鑑みれば、吉田正尚(レッドソックス)が本線か。しかし、そうなるとセンターを本職とする外野手が周東佑京(ソフトバンク)のみとなってしまう。
井端弘和監督は周東のスタメン起用を示唆しているが、本来は試合終盤の代走要因として温存しておきたい存在。そこで浮上するのが、鈴木誠也をセンターで起用する案だ。
鈴木は広島時代からカブスへ移籍後の2024年までほぼライトに固定されてきた。ところが2024年途中から指名打者(DH)としての起用が増加。昨季のシーズン前半はほぼDHに固定され、守備に就いたのはライト32試合、レフト15試合、そしてセンター1試合のみだった。
鈴木の守備力を上回る外野手がカブスにそろっていたことも大きいが、鈴木の守備指標を見ても、決して褒められた数字ではない。特にセンターには昨季1試合に守っただけ。もしWBCで不慣れなポジションを任されるようなら、肝心の打撃に悪影響が出てもおかしくないだろう。
また鈴木にとってWBCはあまりいい思い出がない大会といえるかもしれない。
2016年に“神ってる”活躍でブレイクを果たした鈴木は、2017年の第4回WBCで初選出された。当時22歳の若手はスタメンで起用された試合もあったが、チームの7試合中5試合の出場で、14打数3安打(打率.214)。安打はすべて単打で、打点ゼロと結果を出せなかった。
そして迎えた2023年の前回大会。主軸の一人として期待されていたが、スプリングトレーニング中に負傷。大会を前に辞退したのは記憶に新しい。
鈴木は3年前、そして不本意な成績で終えた9年前の借りを返せるか。大谷翔平(ドジャース)、近藤健介(ソフトバンク)、村上ら左打者が並ぶであろう上位打線において、右打者の鈴木が担う役割は大きい。
文=八木遊(やぎ・ゆう)