欧州、対ロシア防衛産業活況=日本企業も参画視野―ウクライナ侵攻4年

22

2026年02月23日 08:01  時事通信社

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

時事通信社

ドイツ防衛大手ラインメタルの工場で戦闘車両の点検をする従業員ら=2023年6月、独北部ウンターリュース(AFP時事)
 【ベルリン時事】欧州で防衛産業が活況を呈している。ロシアがウクライナに侵攻を始めてから24日で4年。対ロ防衛が最優先課題となり、欧州連合(EU)は加盟国の防衛支出を今後数年で最大8000億ユーロ(約146兆円)拡大させる「再軍備計画」を打ち出した。過度な米国への依存低減を目指す中、価値を共有する技術強国・日本との協力の機運も高まっている。

 ◇株価20倍に

 「スタートアップのように反応し、大手優良銘柄並みの収益を上げている」。ドイツ防衛産業大手ラインメタルのパッペルガー最高経営責任者(CEO)は、侵攻勃発以降の急成長に胸を張る。ウクライナ向け弾薬の供給元として存在感を発揮し、同国と合弁で戦車修理工場を立ち上げるなど、独防衛産業の「顔」となった。

 ドローン開発や軍用造船会社の買収に乗り出し、衛星通信サービス参入も取り沙汰される。侵攻開始前は100ユーロを下回っていた同社株価は、いまや2000ユーロの大台を視野に入れる。ウクライナ和平が実現しても、防衛需要は続くとみられており、フランス同業タレスもここ数年1万人前後の大量採用を継続するなど業界全体が沸き立っている。

 「防衛と何らかの形で関連しない産業分野などないに等しい」と語るのは独防衛産業連合会(BDSV)中小企業代表理事のカトリン・ウィルヘルムさん。不況にあえぐ自動車部門の企業などが参入を目指して列を成しているという。

 ◇日欧でマッチング

 ドイツ防衛産業は冷戦終結以降の衰退から拡大局面へ転換するが、急増する需要に供給が追い付いていない。ウィルヘルムさんは「平和を愛するドイツでは、最近まで防衛関連事業の取引に融資しない銀行が多かった」などと、政治の思惑通りには進んでいない実情を明かした。

 こうした中、防衛力の抜本的強化に取り組む日本政府は産業連携の推進に本腰を入れ始めた。2月には経済産業省と防衛装備庁の幹部が経済団体とともにフィンランドとスウェーデンを訪問。軍民両用分野に焦点を当てて、企業間のマッチング機会を設けた。軍用品だけでなく、戦車が通れる橋梁(きょうりょう)など国防に資するインフラの拡充も課題となっており、国土交通省主導で日本の技術をドイツで売り込んでいる。

 日本企業としては、急拡大する国内防衛需要への対応が優先されるほか、世論の反応も気になるところだ。それでも、ある日欧関係筋は「対米依存リスクの低減という課題は同じ。ウクライナ戦争の教訓を、日本の企業も学ぶ必要がある」と語った。 

このニュースに関するつぶやき

  • EU経済は疲弊しているのに、独を中心に軍産複合体に投資する傾向にある。要は戦争を拡大させ、利益を得る。武器商人を豊かにさせ、その株式の配当利益を享受する奴等が一番得をする現状
    • イイネ!2
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(16件)

前日のランキングへ

ニュース設定